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本で得た「学び」は発信することで深まるかもしれない。写真はイメージ=PIXTA

本で得た「学び」は発信することで深まるかもしれない。写真はイメージ=PIXTA

生き生きと働き続けるための「大人の学び」の極意は何か。リクルートワークス研究所主任研究員の辰巳哲子氏が解説する連載、今回は幼いころからインターネットを使ってきたデジタルネーティブ世代の「覚えない」学び方に焦点を当てる。

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自分で読まなくても「わかる」時代?

新しい組織論を説いた600ページもある翻訳書。読んだこともないのに3時間後には内容を理解し、コメントしなければいけない――。2017年のある日、私はかなり追い込まれた心境になったのを覚えています。皆さんなら、どうしますか?

周囲の社会人からは、こんな答えが返ってきました。年齢は平均で30歳くらいです。

「目次を読み、必要そうなところだけ抜き出して、集中して読みます」
「まず、あとがきを読みます。そこから読むべきところの見当をつけます」

そして、大学生の答えはこうでした。

「本のタイトル、要約と入力して、ググります(グーグルでネット検索)」
「(動画共有サイトの)ユーチューブで音声解説を探します」
「まとめ記事のサイトで読みます」
「交流サイト(SNS)で、詳しい人に聞きます」

大学生には「本を読む」という答えは、なかったのです。技術の進歩で学び方はとても多様になっており、特に知識をインプットする方法を徹底的に効率化・省力化しているのがわかります。彼らの学び方をみると、学ぶという行為そのものの意味が変わり始めているようにも思えます。誰もが自分なりの学び方・スタイルをつくっているのです。

ちなみにこのとき私は、まとめサイトの要約記事を2本読み、自分の専門領域に近い部分については本を読みました。複数のまとめ記事を見たのは、人によるバイアス(偏向)をできるだけ補正するため。肝心の所を本にあたったのは、「専門家としてコメントする」という目的を果たすのに必要と考えたからです。インプットするとき、その目的と知識を使う場面を想定すると、学びの効率が上がるのでおすすめです。

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