出世ナビ

私のリーダー論

「やりたい」と言わせる オリックス社長の部下育成法 オリックスの井上亮社長兼CEO(下)

2018/9/27

――次世代のリーダー育成はどのように進めていますか。

「会社にとっては損失でも、失敗経験がないと成長しません。10億円の案件で失敗しても、もう一回挑戦させます。手を抜いていたりしたら別ですが、失敗しても出世コースから外れるということはありません」

■父の背中に見た、クリーンに仕事をするということ

後継者の条件は「クリーンで謙虚」と話す

「私が幸運なのは、船舶、航空機から不動産、プロジェクトファイナンス、M&A(合併・買収)と幅広い経験ができたことです。今は事業領域がこれだけ広いですから、様々な経験ができるはずですが、例えば空港運営に数人の優秀な社員を派遣するとすぐに戻すことはできません。そうこうするうちに専門人材が不足してきて、頻繁にローテーション(異動)させられるほどの余裕がなくなってきます。それがオリックスの今後の大きな課題だと思っています。海外も含めて多様な人材に成長してもらいたいと考えています」

――後継者の条件は何でしょう。

「人生70年のつもりなので、そろそろ後継を考えないといけないと思っています。条件としてはクリーンで謙虚、この2つです。当たり前のようですが、例えば本人がクリーンであっても、取り巻きがクリーンでなくなるケースがある。そうすると上司にちゃんとした報告をしなくなるかもしれない。本人が真面目でも下が忖度(そんたく)し、本人が裸の王様になってしまうのです。部下は上司の顔を見ながら仕事したほうが楽だから腐敗が進行する。上司も心地よい気持ちになる。私自身はそうあってはいけないと常に思っています」

――日商岩井の副社長だった父親の井上潔氏は航空機購入を巡って汚職があったとされるダグラス・グラマン事件で国会で証人喚問を受けたことがあるそうですね。

「父は経理・財務畑で海外駐在もなく、商社マンの家庭という感じではありませんでした。父の具合が悪くなった頃、週刊誌に『日商岩井の唯一の良心』として父のことが取り上げられたことがありました。真面目に、クリーンに仕事をしていたんだと、ちょっと見直した記憶がありますね」

井上亮
1975年中大法卒、オリエント・リース(現オリックス)入社。国際畑でギリシャや香港、米国に駐在。99年に発足した投資銀行本部の副部長に就任、大韓生命の買収などを担当。2010年取締役。11年に社長、14年に現職。

(安田亜紀代)

マネジメント層に必要な4つのスキルを鍛える講座/日経ビジネススクール

会社役員・経営幹部の方を対象とした、企業価値を高める経営の実務に役立つビジネス講座を厳選

>> 講座一覧はこちら

出世ナビ 新着記事

ALL CHANNEL