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私のリーダー論

「やりたい」と言わせる オリックス社長の部下育成法 オリックスの井上亮社長兼CEO(下)

2018/9/27

――職場改革プロジェクトでは上司への過剰サービスが目立つという指摘があったそうですね。

「パワーポイントの資料を部下に作らせると、自分の作り方とは違うので1ページ目の図表を3ページ目に移せとか、手戻りが発生してしまう。こんなことをやっているから時間がかかるんです。私に対する説明ではパワーポイントの資料は不要、ワードのA4用紙1枚でいいと言っています。それで要点は伝わります。しかし、まだきれいな図表を作ってくる社員が多いですね」

2017年に働き方改革を宣言、社員に業務の効率化を呼びかける=オリックス提供

「私あてに資料をメールで送ってくるときにメールの最後の方を見ると、秘書宛てに『プリントアウトして社長に渡してください』と書いてあります。私がファイルを開けて見ればいいだけの話なので、印刷なんていらないのですが。私はそういう感覚でも、社員のほうには、社長にはプリントアウトしなければ失礼という意識が染み付いているんでしょうね。ペーパーレス化をもっと徹底したいと考えています」

■組織はつくった日から腐る

――どんな組織にしたいと考えて改革をしていますか。

「組織なんて日々変えています。極論を言えば、つくった日から腐るものです。以前は組織を頻繁に変えるのはまずいかなと思っていましたけど、だめだと思ったら次の日に変える、あるいは壊す。これが重要です」

「さらに極論を言うと、組織なんてないほうがいい。プロジェクトごとにチームをつくればいいのです。新しく部をつくる必要はありません。最近目に余るのは、『組織を新たにつくらないと部下のモチベーションが高まらない』とか『役職者の社員が増えたため、部を与えないと名誉が守れない』などの理由で、業務の目的や範囲も明確にしないまま組織をつくるケースが非常に多いことです」

「副部長が部長になって、部が2分割されてという風にアメーバ式に増えていく。しかし本来その人が部長として能力があって慕われていたら自然に人が寄ってきて、組織ができるものです。枠をつくって人を強制的に入れないと機能しないというのは、要するに部長の能力がないという証拠なんです。10人で1億円の利益を出すよりも、20人で3億円出した方がいいに決まっています」

「オリックスはすでに大企業病に陥っているのではないかと思っています。原因の一つに組織論の問題があります。部門が増えると、それだけ自分たちの部門を守りたい意識が働き、部門間のコミュニケーションが悪くなり、社員がどんどん疲弊する。これが大企業病です。それを避けるために、責任と権限と業務範囲が明確であり、目的を達成するために組織変更がどうしても必要だというもののみ承認していきます」

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