世界どこでも「翌朝修理」 コマツのブランド戦略コマツ 建機マーケティング本部長 水原潔氏

――マーケティング戦略を社内にどのように浸透させているのですか。

「マーケティング戦略には、いくつか基本方針があります。1つは『進出国からは撤退しない』です。製品を使っている顧客企業がいる限り、その国・地域から撤退すべきでないという発想です」

マーケティングと生産には「緊張」も必要

マーケティング・営業部門と生産部門には、一定の緊張関係も必要

「『マーケティングと生産の分離』も徹底しています。生産とマーケティングが『なあなあの関係』にならないためです。生産側が『製造が間に合わないから、納入時期を遅らせてくれ』と言ったり、逆にマーケティング側が『目標の期日までに無理してでもつくってくれ』と頼んだりするような状況は避けなければいけません。双方の情報交換の場は定期的に設け、お互いに本音で議論していますが、なあなあではいけないのです」

「もう一つ、『価格の責任はマーケティング部門に持たせる』というのもあります。コマツでは、マーケティング部門の中に営業部隊がいます。営業は安売りをしない、付加価値を高めて適正価格で売る、という基本を守ることが重要です。生産優位で価格を決めると変なことになってしまいます」

発信力、キャタピラーにも学ぶ

――マーケティング部門にはどんな人材がいますか。

「マーケティング本部には、企画部門や営業、サービス、アフターマーケットなど様々な部署から人材を集めています。営業担当には事務系の人もいますが、機械の使い方など現場の基礎知識は欠かせません。これも含めてマーケティングとして、社内で研修体系を整えています。代理店の人たちにも学んでもらえるようにしています」

「コマツの売り上げは、海外が8割以上を占めます。国や地域によって市場環境が違うので、マーケティングも多少異なります。デジタルマーケティングでは、中国が進んでいて、1年半前に携帯・スマホアプリを投入しました。顧客が携帯で部品を注文できるようにしています」

「コマツは、これまでブランドの発信力が弱かったと考えています。競合の米キャタピラーは交流サイト(SNS)やロゴ入りの作業服といったグッズの販売まで含め、上手に自社ブランドを発信しています。コマツも発信力をどう高めていくか、議論している段階です。日本で得た知見を海外に広げていけるような、核となるマーケティング人材を育てていくのも課題です」

水原潔
1983年コマツ入社。米国や欧州の現地法人で海外マーケティングのオペレーションを経験した後、本社マーケティング部門で主に海外営業の企画・統括に携わる。2013年からインド総代表兼現地法人社長、17年4月から常務執行役員建機マーケティング本部長。

(笠原昌人)

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