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World Food Watch

バルセロナのパエリア名店 渋谷の新ビルに海外初出店

2018/9/20

店にはずらりと鍋が並び、次から次へとパエリアが調理される 渋谷の店も写真のバルセロナの本店と同じようなライブ感あふれる作り

バレンシアでは木のスプーンを使って調理するのですが、食べるのもやはり木のスプーン。これで食べると料理の味がダイレクトに伝わってくる。私の家でもそのように食べていて、店を開くとき、一つ鍋をみんなでつつくスタイルを取り入れました。提供の際は、パエリア鍋をどんとテーブルの上に置くのですが、こうしたスタイルでの提供はバルセロナでおそらく初めてだったと思います。ほかの店では、鍋を客席に運んで料理を見せた後、別皿に取り分けていた。レストランで食べる西洋料理は基本的に各人が自分の皿の料理だけを食べるスタイルですが、私はお客様に自分の家に来たみたいに感じてもらいたかったんです。

――提供されるパエリアには、どんなこだわりを持っているのでしょう。

私の店ではパエリアは鍋をじか火にかけ調理します。最初3分強火にして、そこからすぐ弱火に落とす。最後にまた1分火力を強めて水気を飛ばします。全体で17分かかり、パエリア鍋をずらりと並べて調理しています。シンプルな料理に見えますが火加減がとても難しく、だからスペインの人は家でも作るけど、店にも食べに来られるんです。多くの店は、厨房が小さく鍋を並べるスペースがないことや調理時間短縮のために、最初はじか火にかけるもののその後オーブンで調理をしたりする。私は、伝統的な調理法で丁寧に仕上げたパエリアを出したいと思いました。

オーブンを使うと、それに入る小さなサイズの鍋しか使えませんから、コメの層が厚くなり、どうしても水分が多めに仕上がる。コメの食感が変わってしまうんです。パエリアは大きな鍋を使い層を薄くして均等に火を通すことが一番重要で、こうするとコメがくっつかず、1粒1粒がぱらぱらに仕上がる。また、こうした食感に仕上げるためにバレンシア米を使っています。

赤ワインのサングリア

海鮮のパエリアに合わせたいのは、ドライな白ワイン。農家をやっている友人に相談して、バルセロナのあるカタルーニャ地方原産のブドウ品種ガルナッチャ・ブランカを使ったワインを店のオリジナルとして作ってもらいました。サングリアもいいですね。店では、白、赤に加え、スペインのスパークリングワイン、カバを使ったサングリアを提供しています。また日本では、日本酒をベースとしたものもメニューに加えました。フルーツをふんだんに使うのですが、作り置きをするとどんどん味が劣化するので、オーダーが入ってからフルーツをワインに入れています。

――そのほかに店のコンセプトとして大切にされていることは。

「シェアできる」というのが私の店では重要なコンセプトです。お客様のほぼ100パーセントがパエリアを頼まれますが調理に時間がかかるので、待っている間も楽しんでもらえるよう、パエリアと同様にみんなで一皿をシェアして食べる料理を提供しています。

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