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挫折を知るから強く 横浜の浅野学園「3番手の意地」 浅野中学校・高校の前田渉校長に聞く

2018/9/16

浅野中学校・高校の前田渉校長

横浜市にある中高一貫の浅野学園は、神奈川県の進学校「私立御三家」の一つに数えられる男子校だ。1980年代から難関大学への進学指導に力を入れ、着実に実績を伸ばしてきた。創立者で、浅野セメント創業者でもある浅野総一郎氏が残した校訓は「九転十起」。首都圏の最難関校に入れず、同校に入学する生徒も多いなか、「挫折を知るからこそ強くなれる」と心を奮い立たせ、潜在能力を引き出している。

■浅野セメント創業者の浅野総一郎氏が設立

2018年春の大学入試。浅野高校の東京大学合格者数は42人と前年より10人増えた。栄光学園、聖光学院に次ぐ神奈川県内3位の座を確保。特に現役での合格者は36人と過去最多となった。「この1年、何か特別なことをやったわけではない。長年の地道な取り組みが実を結んだ」。前田渉校長はこう話す。

京浜工業地帯を見下ろすように建つ浅野総一郎氏の銅像

同校は1920年、実業家の浅野総一郎氏が、欧米視察をした初代校長の水崎基一氏とともに「教養だけでなく、実用的な技術や技能を身に付ける学校が日本にも必要」との思いから設立した。当初は校内に実習的な作業場も持っていたが、戦後、技能実習の教育部門は浅野工学専門学校として独立。80年代以降、本格的に進学指導に力を入れてきた。

中高一貫で柔軟にカリキュラムが組める利点を生かし、文系は高2までに英語、数学、国語の範囲を、理系も高3の2学期半ばには受験科目の学習を一通り終え、残りの期間を応用問題にあてる。このため、過去問や予備校の模擬試験についても、担当教師が志望校に合わせて、希望者の答案を添削し、細かい点まで指導が行き届く。

こうした指導は他の進学校でもやっているが、浅野の強みは「徹底したデータの活用にある」(前田氏)。模擬試験だけでなく、実際の大学入試の結果についても、学校ができる限り情報を集めるほか、卒業生からも合否の結果や自己採点などの情報を提供してもらう。それらのデータを独自に加工し、どの時期の模試でどの判定なら、実際の受験はどうなりそうかを予想し、生徒の面談や学習指導に役立てる。

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