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次世代リーダーの転職学

転職の成功に必須 「デキる人」と思わせる5つの裏技 経営者JP社長 井上和幸

2018/9/21

「ピークエンドの法則」とは、人は過去の経験を、そのピーク(絶頂)時にどうだったか(うれしかったか、悲しかったかなど)と、それがどう終わったかだけで判定するというもの。定例会議などでは、あれやこれや報告や議論をされても、みんなの記憶に残るのは、何か最も印象的な発言がされた部分と、最後に話されたことくらいです。影響力を発揮したいあなたは、何か有効な提案や情報があれば、タイミングを見つつ、会議のヤマ場でそれを発信しましょう。あるいは最後に、会議全体を的確に総括する役割の発言をすることに注力したいものです。

■トップや上役にかわいがられる2つのテクニック

(4)ニッチな穴を掘れ =対比誤差

あなたがもしオーナー企業に入社したとすれば、社長が大切にしていることには是が非でも意識・目配せし、折に触れてそれをアウトプットするよう心掛けましょう。それだけで他の既存メンバーと差別化できることも多いものです。

何か周囲がスルーしている大事なことは見つかりませんか。たとえば、自社の理念や社長が掲げているメッセージを覚えるといったことでも、意外にポイントは高くお勧めです。

オーナー、特に創業者は、自社を立ち上げた理念や方向性について、とても大切に思っていて、それをホームページや社内に掲げたりします。しかし、一般の社員は幹部であれ若手であれ、これをしっかり覚えている人は、寂しいことに、かなり少ないものです。ことあるごとに、「それは、我が社の理念に○○とあるように」「でも、それって社長が掲げている○○からすると」といった発言を繰り返しましょう。社長は見ています。

「対比誤差」とは、絶対基準ではなく、誰かを基準にして被評価者を評価する際のエラーをいいます。対比誤差により、被評価者を過大あるいは過小に評価してしまう危険性があるのですが、これを逆手に取るのです。

要は、本来は自社の理念や社長のメッセージは全員が覚えているべきことでしょうが、現実としてそれをちゃんと記憶している人が少ない(基準)ため、「単にそれを覚えただけ」のあなた(被評価者)に対する社長の評価が格段に高まるというわけです。社の理念や社長メッセージにかかわらず、対比誤差を生んでくれるネタは、探せばたくさんあるはずです。

(5)かわいがられろ =寛大化傾向

上司や周囲と仲良くすることは重要なポイント。写真はイメージ=PIXTA

最後に「寛大化傾向」です。「寛大化傾向」とは、人事考課において評価が甘くなり、適切な評価を実現できていない状態を指します。理由はいくつか考えられ、「好きな部下には甘くなる」「自分より優れた部下には厳しい評価がつけられない」「苦手な部下には厳しい評価がつけにくくなる」といったことです。

逆の心理で「厳格化傾向」があり、こちらは考課者側の能力が高く、「自分を基準に厳しくつけてしまう」「劣った(という意味で嫌いな)部下の評価が厳しめになる」などが理由になります。つまり、あなたの上司が社長であれ、役員や部長などであれ、仲良くすることを軽視しないことが重要なのです。

別の心理学理論ですが、リーダーシップの発揮しやすさは、人間関係が良好であるだけで、自分に与えられた権限が及ぼすパワーの4倍、仕事がしやすくなると証明されています。おべっか、ごますり、忖度(そんたく)をお勧めするわけでは決してありません。一方で、結構よくある無用な対立構造や敵対心はバカバカしいことで、何よりも自分のために、上役とは仲良くあった方が、仕事が格段にスムーズに進むという現実を踏まえておきましょう。

以上が、「影響力の『ウラ』5つの源泉」です。新天地で活躍するためには、早期に自分自身が活躍しやすい「良い場」を獲得することがすべてです。また、適切な人に、適切なタイミングで、自分を適切に想起・認知してもらう状況を獲得・死守することが、あなたの今後の成功を確実なものとしてくれます。ぜひ、この5つの源泉を駆使し、新たなポジション・環境で上手なスタートを切っていただけるよう願っています。

※「次世代リーダーの転職学」は金曜更新です。次回は9月28日の予定です。この連載は3人が交代で執筆します。

井上和幸
経営者JP社長兼CEO。早大卒、リクルート入社。人材コンサルティング会社に転職後、リクルート・エックス(現リクルートエグゼクティブエージェント)のマネージングディレクターを経て、2010年に経営者JPを設立。「社長になる人の条件」(日本実業出版社)、「ずるいマネジメント」(SBクリエイティブ)など著書多数。

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