2018/9/20

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これで、それまでの売れ筋ファンドが軒並み対象外となり、届け出可能な投信があまりにも少なくなってしまいました。「落としどころ」を探った結果、インデックス型の投信については要件をすべて満たせば新規設定を認めることになりました。

大手運用会社は新しいインデックス型投信を競ってつくり、現在は150本余りが届け出の対象となっています。一方、アクティブ型は過去5年の実績が必要で、現状の17本から大きく増えることはなさそうです。これらは特に貴重な存在の投信といえましょう。

長期・積立・分散の3原則を勧奨

また、つみたてNISAの制度構築にあたり、金融庁は「長期・積立・分散」の3つの投資原則を打ち出し、生活者に実践を強く勧奨しました。20年の非課税期間での投資継続(長期)を前提に、毎月定額でしか購入できないルール(積み立て)への参加を強要し、海外の資産を組み合わせたポートフォリオの構築(分散)を推奨したのです。これらの合わせ技により、損失可能性を合理的に小さくできる高度な資産運用になると考えたわけです。

このようにつみたてNISAに制約や投資の原則が設けられたのは、「生活者が正しい投資行動を実践すれば、将来は相応の運用成果を等しく享受できる」とする政策当局の強い考えが反映されたからです。ヤング投資家の皆さんには、これを素直に受け止めていただきたいと思います。

つみたてNISAを主導した金融庁の森信親前長官は、「預貯金から300兆円規模のお金をつみたてNISAにシフトさせたい」と話していました。300兆円のゼロ金利預金が世界の経済成長の中で育つお金に置き換わり、長期の成長率に見合う4%のリターンを得られるとすると、年12兆円の新たな富が生まれます。これを国が税金などで中抜きせず、つみたてNISAに参加した生活者が丸ごと享受できることに制度の本質があります。ヤング投資家の皆さんは、生活者本位の政策であることに気付き、すぐに行動を起こしてください。

中野晴啓
 セゾン投信株式会社代表取締役社長。1963年生まれ。87年クレディセゾン入社。セゾングループ内で投資顧問事業を立ち上げ、運用責任者としてグループ資金の運用等を手がける。2006年セゾン投信(株)を設立。公益財団法人セゾン文化財団理事。一般社団法人投資信託協会理事。全国各地で年間150回講演やセミナーを行っている。『預金バカ』など著書多数。