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人は神になる 『サピエンス全史』著者の不穏な警告 リブロ汐留シオサイト店

2018/9/14

メインの平台にロングセラーの前著と並べて陳列する(リブロ汐留シオサイト店)

ビジネス街の書店をめぐりながら、その時々のその街の売れ筋本をウオッチしていくシリーズ。今回は定点観測しているリブロ汐留シオサイト店だ。これからの働き方を説く本やアマゾンをめぐる本など、ここ2~3カ月の話題の本を中心に店頭は活況が続いている。そこに大型の新刊がもう一つ加わってきた。前著『サピエンス全史』が世界的ベストセラーになった歴史学者による、続編とも呼べる一冊だ。

■AIが進化したその先は

その本はユヴァル・ノア・ハラリ『ホモ・デウス――テクノロジーとサピエンスの未来』(上下巻、柴田裕之訳、河出書房新社)。2016年刊の前著は人類史を大きな宇宙史の中に位置づけ、認知革命、農業革命、科学革命を軸に解き明かした壮大な歴史書だったが、今度はその先へと重心を移し、サピエンス(人類)の未来に歴史的考察を加えていく野心的な内容だ。前著と同じくすでに米国はじめ各国でベストセラーになっており、話題性は満点。とりわけ人工知能(AI)や生命工学などのテクノロジーがさらに進化を続けた先に現れる未来図を示しており、最先端のビジネスに取り組む人たちの関心を引き付ける。

イスラエルの気鋭の歴史学者の問題意識は、次のように明快だ。「もし私たちが、飢饉と疫病と戦争を本当に抑え込みつつあるなら、何がそれらに替わって、人類が取り組むべき課題のリストの上位を占めることになるのか」。それに対する答えもまた明快だ。「過去の記録や現在の価値観を考えると、不死と幸福と神性を標的とする可能性が高い」。なんと人は神になろうとするというのだ。ホモ・デウスとはまさにデウス(神)になった人類をさすのだ。

■キーワードは人間至上主義とアルゴリズム

こう書くとトンデモ本のようにしか感じられないが、これは本書の出発点にすぎない。そこから始まって考察が加えられるのは人間至上主義(ヒューマニズム)の来し方行く末である。「人間至上主義者の積年の理想を突き詰めていった場合の、論理上必然の結論」が「不死と至福と神性を獲得しようとする試み」だと位置づける。そこから人間と動物の関係を考える第1部、人間至上主義をめぐる様々な考察を繰り広げる第2部を経て、テクノロジーが支配するこれからの未来に、人間至上主義がどのような運命をたどり、変容していくかを探っていく。

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