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東京・清瀬 大行列のパン屋さん「考えた人すごいわ」

店長の木村雄基さん(右) 全部で20人ほどのスタッフが入れ替わりで製造と販売に当たる

大舘さんによれば「せめて看板には『食パン専門店』と入れようかと迷いました。でも、駅の目の前なので、1度来てもらったら何の店かわかる。1回買ってもらって食べてもらったらきっと気に入ってもらえる。そう思ってあえて何も説明しないでおくことにしました」とのこと。ここでも垣間見えるのはやはりおいしさへの自信だ。

かつてない「とろける食感」や味の秘密は厳選された素材とその配合にあるという。

「あえて国産ではなく最高級のカナダ産と米国産の小麦粉を使用しています。それに国産バター、海水をじっくり煮詰めて作る岩手産の『のだ塩』、生クリーム、練乳、はちみつを加えています。まさに魂を込めて選び抜いた素材です」(大舘さん)

総菜パンや調理パンは乗せたりはさんだりする具の原価が高いので、こうした具を使わない食パンは利益率が高く、ベーカリー業界では食パンが売れれば売れるほどもうかると言われる。しかし、こちらでは厳選素材にこだわっているため、原価率は一般的なベーカリーに比べて高いという。

利益率は下がっても、扱うアイテム数を絞っておいしさを追求して売り切ることで「廃棄ロス」はほぼゼロ。廃棄ロスとは売れ残り商品を捨てることで発生する損失で、ベーカリー業界では今、これが大きな課題となっている。

粉の配合から焼くまですべての工程を店舗内の厨房で手作りしていることもポイントだ。

「『焼きたてパン』をうたう店であってもセントラルキッチンから送られてきた冷凍生地を成型して焼くだけのところもありますが、手作りのものはやはりおいしいと思います。気温や湿度は毎日変わるので、同じように作っていても同じ仕上がりにならないのが苦労する点。設定温度を微調整しながら毎日同じになるように焼いています」と語るのは店長の木村雄基さんだ。

オーストラリアのサンマスカットレーズンを使用した「宝石箱」 平日の18時からと土日の10時からのみ購入できる 1斤520円(写真は2斤)

「翌日まではそのまま食べてもおいしいですよ。その後はトーストして食べてください」と大舘さんにアドバイスされたが、2日後にそのまま食べてみたら、「とろける食感」は変わらず、美味だった。トーストして何も塗らずに食べると、ふわふわの中身に表面の香ばしさが加わり、これまた絶品。うーん、やっぱり考えた人すごいわ。

(ライター 柏木珠希)


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