「逆算の資産準備」のススメ 95歳から遡って考える

日経マネー

イラスト:小迎裕美子

「95歳まで資産を持続させる」ことがゴールになると、35年もの間、お金を放ったらかしにすることはもったいないと感じるはずです。そこで退職後の時代を2つのステージに分けて、「運用がまだできる時代」と「運用からも引退する時代」の2つがあると考えるのです。

95歳から遡ってこの2つのステージを考えてみましょう。アンケートでは多くの方が75歳くらいまで運用を続けたいと回答していることから、運用から引退する時期を75歳と設定します。すなわち、75~95歳の20年間は資産を「使うだけの時代」として考えます。60~75歳の時期はまだ運用ができる「使いながら運用する時代」です。

このように95歳から遡って考えることを私は「逆算の資産準備」と呼んでいます。これを示したのが上図です。左端の95歳から右に向かって年齢が若くなるようにしてあります。もちろん、現役時代は積み立て投資をする時代ですから、ここは別のステージと考えます。

実際に計算しましょう。例えば75歳で運用から引退し、95歳まで公的年金以外に月額14万円を引き出すとします。60~75歳では「資産残高の4%を引き出しながら残りを3%で運用する」と仮定します。ここで95歳で資産が0円になるように設定すると、75歳で3360万円、60歳で3950万円が必要になると計算できます。60歳以降の35年間の引き出し総額を計算すると5695万円です。

注目してほしいのはこの引き出し総額です。前述した、退職直前年収600万円の方の退職後の生活のために用意する自助努力総額5640万円と同じ水準です。つまり60歳時点で4000万円弱の資産があれば、15年間「使いながら運用する」とすれば、自前で用意しなければならない5700万円弱の資金が用意できるのです。

労働期間や生活費を見直す

4000万円でもかなり大きな金額であるように見えますが、少し対策を考えると、決して難しい金額ではないことが分かります。

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