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「逆算の資産準備」のススメ 95歳から遡って考える

日経マネー

2018/9/21

写真はイメージ=123RF
日経マネー

 前回の「老後設計の大きな誤解 年収多い人ほど生活資金が必要」で、日本でよくいわれる「退職後の生活に関する誤解」を説明するために3つの掛け算を紹介しました。この3つの掛け算のうち2つを使うと、自身の退職後の生活資金総額を概算として知ることができます。具体的な計算方法としては、「最終年収」×「目標代替率」×「退職後年数」=「退職後の生活資金総額」です。

 これを使ってまずは退職に備えてどれくらいの資金を用意していかなければならないのかを考えていきましょう。フィデリティ退職・投資教育研究所が算出した「目標代替率68%」と、60歳の方の生存確率20%を前提にした夫婦の「退職後年数35年」を先の式に入れてみます。退職直前の年収が600万円の場合、600万円×68%×35年で1億4280万円が必要総額となります。かなり大きな金額で驚かれるのではないでしょうか。

イラスト:小迎裕美子

 ただ、これは必要総額ですから、公的年金でかなりの部分を賄うことができます。50代になれば「ねんきん定期便」で公的年金の受給額の推計値を知ることができます。「妻が40年間専業主婦」を前提にした標準世帯で20万円くらい、「夫婦共働き」で28万円くらいと推計されますので、その中間の月額24万円の受給を想定して計算します。

 その場合、65歳の受給開始から95歳までの30年間の受取総額は24万円×12カ月×30年で8640万円です。これを必要総額から差し引くと、5640万円。これが自助努力で用意しなければならない金額となります。当初と比べれば大きく減ったとはいえ、これでもかなりの金額ですね。

■使いながら運用する重要性

 次はこの金額をどう用意していくかを考えます。その場合に、お金と向き合う生活のゴールを「95歳まで資産を持続させる」という点に置くことが大切になります。「5640万円が必要」と聞くと「定年までにその金額は用意できない、無理だ!」と感じるかも知れません。しかし、この金額は使う金額の総額なので、退職後の生活が始まる60歳の時点で全てを用意する必要はありません。

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