エンタメ!

エンタウオッチング

DA PUMP『U.S.A.』 仕掛け人が明かす誕生秘話

日経エンタテインメント!

2018/9/22

2018年6月にリリースされたDA PUMPの『U.S.A.』が異例のヒットを続けている。DA PUMPの新曲として、1990年代のユーロビートのカバーを決めたのは、所属事務所ライジングプロダクションの社長である平哲夫氏だ。同事務所は80年代に荻野目洋子、90年代に安室奈美恵、MAXなどユーロビートのカバーを数多く世に放ってきた。しかし、R&Bテイストを追求してきたDA PUMPに今なぜ、ユーロビートを選んだのか。平氏にインタビューした。

DA PUMP 1997年、m.c.A.Tが音楽プロデュースを務めた『Feelin' Good -It's PARADISE-』でデビュー。2008年に新メンバーが加わり、14年から現在の7人体制で活動している(写真:浦田大作)

「実はISSAにちょっと故障があって、一時期、若い頃よりも声が落ちていたんです。しっかりトレーニングし直すため、シングルに時間がかかってしまいました。次のシングルを考えたときには、特に90年代にこだわらず、ISSAの声に合い、しっかり伝わるメロディーを見つけなきゃいけないなと。

ユーロビートを選んだのは、マイナーポップで日本人が好きなメロディーの曲が多いと思うからです。ただ、楽曲によってはレトロ過ぎるかなというものがあって。90年代に選んだユーロビート曲との違いは、簡単に言うと哀愁すぎないこと。昔は、マイナーコードの言うなれば哀愁のあるメロディーが好かれたんですね。でも時代とともに変化している。MAXは全曲ユーロビートのアルバムが100万枚くらい売れましたけど、あの中からもう1回リメークし直そうと考えると、メロディーが哀愁すぎて今の時代にはどうなのかなと感じます。

一番変わるのは、トラックかもしれないですね。時代とともに当然トラックは変わってきますから。『U.S.A.』の方向性は基本的にはEDMです。この10年ぐらいは、しっかりしたメロディーの曲と、ダンストラックがちょっと離れていたと思うんですね。EDMや最近のヒップホップなどのダンストラックにはメロディーが必要じゃなくて、ボーカルが必要ならラップでいい。EDMで16ビートみたいなものに若い人が慣れていたところに、歌ものが来たというのもあるような気がします。17年の『ダンシング・ヒーロー』(荻野目洋子)も大きかったですね。大阪の登美丘高校とakaneコーチのおかげで、32年前の楽曲も今の若い人たちに受けるんだなと、僕自身の1つの目安になりました」

『U.S.A.』を発表すると決めた際、平氏はこのようなムーブメントになることを予想していたのだろうか。

「振り付けは彼らに任せたんですけど、曲については、僕は自信がないものは出しません。まして久しぶりのシングルですから、最初から地味だなと思うものは出さないですよね。ISSAはあれだけの声を持っているし、ダンスは一流の連中だからちゃんとやればかっこいいわけですよ。もちろんshungo.君の詞も大事だと思います。メロディー、歌、オケ、そして歌詞がそろった曲です。

何でダサいなんて言われたか、いまだによく分からないですけれども(笑)、ポピュラリティーという意味で言ったら、確かにダサいかも分からないですね。すごくとんがった一部の人ではなくて、ポピュラリティーなところを狙っているわけですから。

ユーロビートや16ビートの曲は、またDA PUMPかは分からないですけど、やろうと思っています。僕は、過去にそれで多くのお客さんに楽しんでもらった経験があるので、またそういうことがあればうれしいなと思いますね」

(日経エンタテインメント!編集 羽田健治)

[日経エンタテインメント! 2018年9月号の記事を再構成]

エンタメ! 新着記事

ALL CHANNEL