「同じ場所に集まった人同士がゲームで対戦する」というとeスポーツを思い浮かべる人が多いかもしれない。だが、別の形のイベントが盛り上がりを見せ始めている。名前は「LANパーティー」。参加者が自分のパソコンを持ち寄り、数日間仲間たちとゲームを楽しむイベントだ。海外には2万人が集まるLANパーティーもあるという。具体的にはどのようなイベントでどんな人たちが参加しているのか。記事「裾野広がるゲーミングPC 火付け役は韓国製ゲーム」でも話題に上ったLANパーティーイベント「C4LAN」を手掛ける田原尚展さんに話を聞いた。

ゲーマーにとっての音楽フェス
――そもそも「LANパーティー」とはどういうイベントなんでしょうか。
もともとはその名前の通り、友人同士が集まって、パソコンをローカルネットワーク(LAN)でつなげて一緒にゲームを楽しむという集まりでした。
20年ほど前から小規模なものが行われていたようです。ただ長期にわたり継続するものはありませんでした。
今はオンラインで接続して対戦するゲームがほとんど。LANに対応していないゲームも多いんです。そこで、最近はパソコンを持ち寄って仲間同士が同じ場所でゲームを楽しむイベントのことを、LANパーティーと呼ぶようになっています。ちなみにC4LANではスタッフの強いこだわりから会場の全てのパソコンをLANでつないでいるんですよ。実際に使っているのは数人ですが(笑)。
現在のLANパーティーはゲーマーにとっての音楽フェスみたいなものだと思います。ゲーム好きな仲間が大勢集まり、ひたすらゲームをするお祭り騒ぎを楽しむんです。
――田原さんが手掛けるLANパーティー「C4LAN」が始まったのは?
第1回は2016年10月8日から10日の3日間。東京・浅草橋のヒューリックホールに140席を用意しました。参加者は席を買ってパソコンを持ち込むのですが、このときは120席が売れました。参加者はほとんどがLANパーティーという単語を知っている「コアゲーマー」と呼ばれる熱心なゲーマーたちです。年齢層は20代後半から30代がボリュームゾーンで、その中に40代の方々がちらほらという印象でした。

17年に開催した第2回では同じ会場を使ったのですが、販売席数は160席まで増えました。このときに印象的だったのはチケットが一気に売れたこと。開催日近くになってから買えばいいと考えていた第1回の参加者たちから「売り切れでチケットが買えなかった」と言われたんです。