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ここが変だよ、日本のたばこ規制 内に甘く外に厳しく

2018/9/17 日本経済新聞 朝刊

 たばこによる健康被害は医学的に明白である。吸わない人々にも受動喫煙で被害は広がる。スポーツを楽しむ健康的な生活にも悪影響を与える。

 国際オリンピック委員会(IOC)は1988年から五輪の会場を禁煙とし、2010年には世界保健機関(WHO)と「たばこのない五輪」を目指すことで合意した。昨今の五輪は開催地に選ばれた都市や国が受動喫煙防止のため、競技会場内だけでなく飲食店などの屋内施設を全面禁煙とする罰則付きの法や条例を整備するのが慣例となっている。

 08年北京、12年ロンドン、16年リオデジャネイロとも飲食店は全面的な屋内禁煙となった。五輪の開催は、たばこの健康被害を防ぐ対策を一気に進める絶好の機会でもある。

 20年東京に向けても準備は進んでいる。東京都は6月、受動喫煙防止条例を可決した。20年4月に全面施行となる。従業員を雇っている店はすべて屋内禁煙で、都内の飲食店の84%が対象となる。国際レベルの規制に近いものだが、個人経営の店や専用ブース内での喫煙を認めたのは過去の五輪開催都市と比べれば厳しくない。

 政府の法による規制は、はるかに緩くなりそうだ。現在の案では「客席面積が100平方メートル以下」の店が当面は例外となるため、対象が全国の飲食店の半分以下にとどまるという。国際社会から批判の対象になりかねない。

 一方、日本は屋内喫煙には規制が甘くても屋外での喫煙を禁止する条例を定める自治体は海外よりはるかに多い。屋外の喫煙場所もあまり整備されていない。現状のままでは海外から訪れる愛煙家も戸惑うことだろう。

(編集委員 北川和徳)

[日本経済新聞朝刊2018年9月13日付]

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