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飲食店の口コミサイトに事実無根の中傷 削除できる? 弁護士 志賀剛一

2018/9/13

写真はイメージ=PIXTA
Case:40 飲食店を経営しています。ある時期から急に売り上げが減り始め、なぜだろうと思っていたら、インターネットの飲食店の口コミサイトにまったく事実無根の中傷が書き込まれていたのです。ただちにこの書き込みを削除してもらいたいのですが、どうしたらよいでしょうか。

■虚偽の悪評、店の死活問題に

最近、仲間同士のカジュアルな飲み会では、幹事からのメールに店の場所や電話番号まで書かず、飲食店の情報サイト(グルメサイト)のURLをペタッと張り付けてあるだけ、ということもありますよね。そこをクリックすると地図はもちろん、どのような評判の店なのか事前にわかります。さらに、スマートフォンの普及で当日行く店が決まっていない場合にも、その場で検索して店の情報を得ることができます。

便利な世の中になりました。今や飲食店、ホテルにとどまらず、進学先の学校選びや就活、さらには結婚式場までさまざまな口コミサイトが利用されており、大げさに言えば口コミサイトが「人生を決める」こともあるのかもしれません。

それだけに、投稿された口コミの内容はときとして経営に大きな影響を与えることがあり、虚偽の悪評を流されると経営上、死活問題になりかねません。

■具体的な事実か? 真実か?

相談のケースでは「事実無根の中傷」が書き込まれたとのことですが、具体的にどのような内容だったのでしょうか。

大手グルメサイトでは単に「おいしくなかった」「まずかった」など一言だけ感想を述べているような100文字未満の口コミは、ユーザーの参考にならないため掲載しない運用のようなので、掲載されているということは、店の料理や接客に関しなんらかの具体的な事実が指摘されているのだろうと推察します。

仮に100文字を超えていても、具体的な事実が挙げられておらず、投稿者の意見や感想を表明したにすぎない投稿は名誉毀損に当たらないので、後述するような方法で削除することはできません。また、店の評判を下げるような具体的な事実が記載されていても、それが真実であれば、削除を求めることはできません。

■裁判例、個別の書き込み削除は否定せず

なお、大手のグルメサイトに掲載された口コミで被害を受けたとして、飲食店を経営する会社が店舗情報の削除を求めた裁判があります。この内容が一部で誤解され、「裁判所はグルメサイトにある誹謗(ひぼう)中傷の書き込みの削除を認めなかった」と認識している人が少なくないので付言しておきます。

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