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90年代ブーム、仕掛け人が語る コギャル時代の輝き

日経エンタテインメント!

2018/9/20

1990年代を舞台にした映像作品や、90年代の名作をリメイク・実写化した作品が増えている。90年代が舞台の作品には、ボディコンや『ロングバケーション』など当時の流行を盛り込んで話題になったNHK連続テレビ小説『半分、青い。』や、90年代半ばにコギャルだった女性たちの友情を描く映画『SUNNY 強い気持ち・強い愛』などがある。90年代の名作リメイクには、93年の岩井俊二監督ドラマをアニメ映画化した『打ち上げ花火、下から見るか? 横から見るか?』があり、90年代のマンガ実写化作品には『リバーズ・エッジ』などが続く。

映画『SUNNY 強い気持ち・強い愛』 韓国映画の名作を、1990年代の日本を舞台にリメイク。広瀬すず、山本舞香、池田エライザらがコギャル化して熱演する。音楽は小室哲哉が手掛けた。(公開中/東宝配給)(C)2018「SUNNY」製作委員会

なぜ今、エンタ界を90年代が席巻しているのか。『半分、青い。』の制作統括・勝田夏子氏は「90年代に青春を送った人たちが、今、制作の中心世代になり、採り上げる機会が増えているのでは」と話す。『半分、青い。』の脚本家・北川悦吏子氏も20代で80~90年代バブルを経験しており、それが『半分、青い。』の企画にもつながった。

■90年代が持つ独特の空気感

また、90年代には物語の舞台として取り上げる面白さがあるようだ。「バブル時代のディスコの撮影時、中村倫也くんが『すげー浮かれてるなぁ』と思ったそうですが、でもおバカだけど華やかさがあって、基本的には平和でよくも悪くも活力があった明るい時代。また、平成も終わろうとしている今、昭和~平成史を振り返るのも時代にマッチして面白いのではないかと思いました」(勝田氏)。

『SUNNY』の大根仁監督は、「女性が男性に頼らなくなった時代」として90年代に注目した。同作は、韓国映画『サニー 永遠の仲間たち』(2011年)をリメイクした作品だ。「韓国版は、1985年に高校時代を過ごした女性たちの物語。85年は、軍事政権が終わり、民主化運動が始まった韓国の転換点となった年なんです。そんな時代を日本に置き換えるのは難しい。『リメイクしましょう』と川村元気さん(東宝プロデューサー)に言われた時、『無理だ』と言ったんです。『じゃあ、日本のどの時代ならいけますか?』と言うので、『やるなら、コギャルの時代が面白いと思う』と言ったところから、この企画が進んでいきました」。

91年にバブルが弾け、95年にサリン事件が起こり、デフレ時代に突入。そんななかミニスカートで元気に“コギャルカルチャー”を築いた女子高生たち…。そんな「女子の革命」を背景に、日本版の『SUNNY』は製作された。

90年代を描く際には、どのような苦労があるのか。『半分、青い。』の勝田氏は、「なまじ近い時代なので時代考証が大変」と話す。「家電や音楽などジャンルごとはいても、トータルに90年代について聞ける専門家がいない。だからスタッフが1つひとつ調べるしかない。40代以上のスタッフが目を光らせる必要もありました。ハサミ1つとっても、『その時代に、プラスチックの柄のハサミはなかった』ということがありますから」。

昨今は考証に甘さがあると、すぐに視聴者から指摘が入る。そのため当時の商品をメーカー倉庫から「蔵出し」してもらったり、当時の公衆電話の音を求めて、遠方まで採集に行ったりしたという。

『SUNNY』も同様だ。コギャルのファッションやメイクは、『egg』などの雑誌や、元コギャルたちの協力のもと忠実に再現。プリクラ機は当時のものを2万円で購入し、10万円の送料をかけて北海道から取り寄せたそうだ。

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