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90年代ブーム、仕掛け人が語る コギャル時代の輝き

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1990年代を舞台にした映像作品や、90年代の名作をリメイク・実写化した作品が増えている。90年代が舞台の作品には、ボディコンや『ロングバケーション』など当時の流行を盛り込んで話題になったNHK連続テレビ小説『半分、青い。』や、90年代半ばにコギャルだった女性たちの友情を描く映画『SUNNY 強い気持ち・強い愛』などがある。90年代の名作リメイクには、93年の岩井俊二監督ドラマをアニメ映画化した『打ち上げ花火、下から見るか? 横から見るか?』があり、90年代のマンガ実写化作品には『リバーズ・エッジ』などが続く。

なぜ今、エンタ界を90年代が席巻しているのか。『半分、青い。』の制作統括・勝田夏子氏は「90年代に青春を送った人たちが、今、制作の中心世代になり、採り上げる機会が増えているのでは」と話す。『半分、青い。』の脚本家・北川悦吏子氏も20代で80~90年代バブルを経験しており、それが『半分、青い。』の企画にもつながった。

90年代が持つ独特の空気感

また、90年代には物語の舞台として取り上げる面白さがあるようだ。「バブル時代のディスコの撮影時、中村倫也くんが『すげー浮かれてるなぁ』と思ったそうですが、でもおバカだけど華やかさがあって、基本的には平和でよくも悪くも活力があった明るい時代。また、平成も終わろうとしている今、昭和~平成史を振り返るのも時代にマッチして面白いのではないかと思いました」(勝田氏)。

『SUNNY』の大根仁監督は、「女性が男性に頼らなくなった時代」として90年代に注目した。同作は、韓国映画『サニー 永遠の仲間たち』(2011年)をリメイクした作品だ。「韓国版は、1985年に高校時代を過ごした女性たちの物語。85年は、軍事政権が終わり、民主化運動が始まった韓国の転換点となった年なんです。そんな時代を日本に置き換えるのは難しい。『リメイクしましょう』と川村元気さん(東宝プロデューサー)に言われた時、『無理だ』と言ったんです。『じゃあ、日本のどの時代ならいけますか?』と言うので、『やるなら、コギャルの時代が面白いと思う』と言ったところから、この企画が進んでいきました」。

91年にバブルが弾け、95年にサリン事件が起こり、デフレ時代に突入。そんななかミニスカートで元気に"コギャルカルチャー"を築いた女子高生たち…。そんな「女子の革命」を背景に、日本版の『SUNNY』は製作された。

90年代を描く際には、どのような苦労があるのか。『半分、青い。』の勝田氏は、「なまじ近い時代なので時代考証が大変」と話す。「家電や音楽などジャンルごとはいても、トータルに90年代について聞ける専門家がいない。だからスタッフが1つひとつ調べるしかない。40代以上のスタッフが目を光らせる必要もありました。ハサミ1つとっても、『その時代に、プラスチックの柄のハサミはなかった』ということがありますから」。

昨今は考証に甘さがあると、すぐに視聴者から指摘が入る。そのため当時の商品をメーカー倉庫から「蔵出し」してもらったり、当時の公衆電話の音を求めて、遠方まで採集に行ったりしたという。

『SUNNY』も同様だ。コギャルのファッションやメイクは、『egg』などの雑誌や、元コギャルたちの協力のもと忠実に再現。プリクラ機は当時のものを2万円で購入し、10万円の送料をかけて北海道から取り寄せたそうだ。

しかし、さらに制作者が腐心するのが、リアルとドラマの両立だ。『半分、青い。』ではバブル期に流行したヨージヤマモトやピンクハウスの服が使用されたが、「ドラマは時代再現フィルムじゃない要素もあるので、当時のものをそのまま持ってくればいいというわけではないんですよ」と勝田氏。

「90年代の服はラインが独特で、今見ると笑っちゃうようなものもあるんです。ドラマが成立するギリギリのラインで、なおかつ時代考証的にも合っているものをチョイスしなきゃいけない。そんな苦労は、美術全般や小道具も同じ。当時のアイテムを使って、キャラクターや時代の空気を今の感性で生きる人たちに伝えることが大事なので、スタッフは頭を悩ませ、手間ひまかけました」

『SUNNY』は、「94年から97年のどこか」(大根監督)とあえて年代を曖昧に設定。また、当時のコギャル文化の中心地と言えば渋谷だったが、本作では地域を特定していない。当時の空気感を伝える要素として、95年前後にヒットした小室哲哉プロデュース楽曲や渋谷系楽曲を取り入れている。

お宝原作は90年代にアリ

90年代に人気を集めたマンガの実写化も活発化している。今年は、岡崎京子の代表作を行定勲監督が実写化した『リバーズ・エッジ』や、吉住渉の少女マンガを実写化した『ママレード・ボーイ』が公開。ドラマでは、桂正和のマンガを現代に置き換えた『電影少女』が1月から放送されて話題に。10月からは西森博之のギャグマンガを福田雄一監督が連ドラ化する『今日から俺は!!』が放送予定だ。

CMの世界でも、90年代の名作が復活して話題になった。97年から放送されたスタッフサービスの「オー人事」CMだ。職場や上司とのミスマッチを描き、最後に悲壮な曲が流れる…という構造はそのままに、97年はなかった「スマホ」「SNS」などを盛り込んで約20年ぶりに新作を制作すると、CM好感度総合7位に(CM総合研究所発表/3月後期)。「働き方や働く環境は、大きく変わっています。誰かを傷つける表現になっていないか、細心の注意を払いました。とはいえ、攻める姿勢を忘れたら、オー人事CMではなくなる。最後まで、せめぎ合いの中で作りました」(スタッフサービス)。

単に懐かしさから90年代を引用するのでなく、今の時代に合う表現を取り入れることで、当時を知る世代だけでなく、若い世代にもアピールする。そんな工夫が制作の現場では取られている。

(ライター 泊貴洋)

[日経エンタテインメント! 2018年9月号の記事を再構成]

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