相次ぐ大災害 個人の保険・住宅・投資はこう備えよ

地震保険の保険料はおおむね上昇傾向にある。東京都で1年契約、地震保険金1000万円の場合、19年1月から耐火構造で従来比11%高い2万5000円、木造などの非耐火構造で同7%高い3万8900円となる。保険料が安くなるのは大阪府や愛知県など一部だ。

地震保険の加入は最長5年。いわゆる「長期割引」があり、5年契約だと5年間の負担総額は11%安くなる。ただし19年1月から「割引率」は低くなり、8%引きにとどまる。加入時期の参考にしたい。

今や災害大国と言われる日本。気象庁によると、1時間の降水量が50ミリ以上の豪雨発生回数(年平均)は08~17年で238回と、1976~85年(同)より4割多い。震度4以上の地震の発生回数は年40~50回に上る。太平洋側では東海地震などが連動して起きる「南海トラフ地震」も警戒されている。自治体の公的補助だけでは対応できず、火災保険に頼る場面は今後増えると見られる。

子供の誕生や独立、新居の購入……。ライフステージに応じて守るべきものの優先順位は変化する。家計にとって、どの保険に加入すべきか、いま一度十分に検討しておく必要がある。

住宅、耐震診断や工事公的助成をまず確認

大規模な自然災害に備えるには、住宅の災害対策も重要になってくる。特に戸建ての所有者なら、耐震リフォーム、崖崩れ対策、水災対応などの工事が考えられる。まずは何から始め、費用はどうすれば良いのか。

「耐震リフォームで自治体から70万円の助成金がおり、助かった」。ファイナンシャルプランナー(FP)でもある黒須秀司さんは満足そうに話す。黒須さんが工事を発注したのは、老親が住む千葉市内の木造住宅。帰省したときに地震が発生し、築46年の家が大きく揺れたのが怖かった。実家の耐震補強が必要と判断し、自治体の助成制度を調べ、全体の工事費の2割強を公的資金で賄った。

個人宅の防災関連工事に助成金を交付する自治体が増えている。多いのが地震対策だ。

例えば、横浜市では地盤面から高さ2メートル超の崖が崩れ住宅に被害が及ぶのを防ぐ工事について、1平方メートル当たり7万4000円(18年度)か工事費の3分の1のいずれか少ない額で、400万円を上限に助成する。事故が続出しているブロック塀は安定性が低い古いものがあると言われる。強化目的の助成制度も出始めている。

そもそも古い住宅の簡易な耐震性診断は、多くの自治体が無料で実施できるので活用したい。例えば東京都杉並区では、1981年5月以前の旧耐震基準で建てられた木造住宅について簡易診断は無料、精密診断も10万円まで助成する制度がある。

耐震性診断を受ける際、注意を払いたいのが、「上部構造評点」といわれる耐震性のスコア。1.0以上だと現耐震基準をクリアしているが、0.7未満だと「倒壊する可能性が高い」との判断になる。さくら事務所(東京・渋谷)のホームインスペクター、山見陽一さんは「特に旧耐震の住宅は0.3前後と弱い場合がある。自治体の施工助成制度を活用して、対応を検討したい」と話す。一般の戸建ての柱の補強を中心にした工事は200万~300万円が目安という。

水災が心配な場合は、まず自治体のホームページ(HP)などでハザードマップを点検して、工事の必要性が高いかどうかを確認する。その上で床下の地盤がしっかりしているかどうかなどの判断が必要で、信頼できる専門家に見てもらうのが良い。

ただ不安だからといって、多額の工事費を投じるのも考え物だ。複数の専門家は「訪問営業で必要以上の工事を施し利益を稼ごうとする業者もいる」と指摘する。

地域密着で実績が豊富な業者を選ぶのが大切で、業者選定時は実際に施工実績が地元で多いかを確認したい。また「約5業者から工事額の見積もりを取り、内容と価格の双方を比較したい」(黒須さん)。価格だけでなく、施工の品質も十分に意識して対策を強化する必要がある。

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