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相次ぐ大災害 個人の保険・住宅・投資はこう備えよ

2018/9/15

安否不明の親族の捜索活動を見守る人たち(7日、北海道厚真町)

 西日本豪雨、台風21号、北海道地震……。大規模な災害が相次いでいる。災害時、保険はどこまで補償してくれるのか。災害に強い住宅にするには費用はどうするのか。おカネの再点検が緊急課題となっている。

■保険、水災補償の有無確認・地震保険の検討を

 「なぜ火災保険に水災の補償をつけていなかったのか」。7月に西日本で発生した大規模豪雨で、住宅の被害を受けた個人からは、こんな自問の声が相次いだ。

 西日本豪雨では、全壊や半壊、床上・床下浸水など住宅被害が4万棟を超えた。そうした水災を補償する保険は、損害保険各社が提供する住宅向けの火災保険だ。住居購入時に加入する場合がほとんどで、強風や大雪による風災・雪災、落雷が補償対象。ただし、集中豪雨による床上浸水で自宅が損害を受けた場合は、古い契約の場合、補償対象外となる可能性がある。

 大手損保各社は2010年まで、水災補償も含む総合型の「住宅総合保険」と、水災補償を含まない「住宅火災保険」の2種類を共通商品として取り扱っていた。契約期間は最長36年。ある損保の担当者は「新居購入時、住宅ローン契約と同時に負担の軽い住宅火災保険に入ったままにしている個人も少なくない」と話す。

 10年以降、損保各社は補償区分を改編し、独自の商品名称で火災保険を取り扱い始めた。例えば三井住友海上火災保険の「GKすまいの保険」は、オールリスク型の「6つの補償プラン」をメインに販売している。

 15年からは、最長36年だった契約期間が10年に短縮された。最長で10年ごとに、保険契約を見直す機会ができるようになった。東京海上日動火災保険では16年から、契約者の保障内容の確認を促す案内をメールなどで定期的に通知。個人がより高い頻度で、自分の契約内容を見直せるようにしている。千葉市に住む60代の佐伯典子さん(仮名)は17年に、水災補償を加えた契約内容に変更した。「戸建て住宅に住んでいるが、ゲリラ豪雨が怖くて見直した」という。

 水災補償が入ると、保険料はどのぐらい増えるのか。東京都の専有面積100平方メートルの新築戸建て住宅(非耐火構造)で、保険金額2000万円の場合、年間保険料は約2万7200円。水災補償を除いた「4つの補償プラン」は保険料が約35%安い。多くの保険会社は水災を含むオールリスク型を提案するが、費用負担も考慮するのが望ましい。

 水災補償は、その対象要件にも目配りが必要だ。床上浸水で地盤から45センチ超などの場合に補償されるのが基本だ。ファイナンシャルプランナー(FP)の平野敦之さんは「床上が水浸しとなり、建物や家財が被害を受けた様子を写真で撮影しておくと、保険金の請求手続きがスムーズ」と助言する。

 水災には自動車など車両の冠水被害もある。今月4日、風速44メートル以上の「非常に強い勢力」で25年ぶりに上陸した台風21号でも、近畿地方などで多くの自動車が冠水した。だが車両の冠水は火災保険でカバーされない。自動車保険の車両保険への加入を検討する必要がある。その場合も、地震が原因の津波による車両被害は対象外となる。

大災害のマネーの備えについて相談を受けるFPもいる

 一方、地震保険はどうか。6月の大阪北部地震や9月6日の北海道地震のように、昨今は大きな地震がいつどこで起きてもおかしくない。再点検は喫緊の課題だ。地震保険は基本的に国と損害保険会社が共同運営する。地震保険とセットで加入しても、最大50%しか補償されないが、FPの間では火災保険と併せて加入を勧める声が多い。

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