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フィンランドで酎ハイ人気 サウナでソーセージと共に

2018/9/13

フィンランドでは今年1月から、従来よりアルコール度数が高い酒がスーパーで買えるようになり、同国版酎ハイ「ロンケロ」が人気を博している

 北欧の国フィンランドで、今大いに人気に盛り上がりを見せている酒がある。「ロンケロ」という愛称で呼ばれるロングドリンク(カクテルの一種)、いわばフィンランド版酎ハイだ。ロンケロとは、ジンをグレープフルーツソーダで割ったカクテル(今は様々なバリエーションがある)。初めて登場したのは1952年、ヘルシンキオリンピックの年だ。

 考案したのは、19世紀にミネラルウオーターの販売からスタートしたハートウォール社。プレミックスのカクテルを販売すれば、押し寄せる観光客で多忙を極めるだろうレストランに喜ばれると考えたのだ。当初はオリンピック期間限定で売る予定の商品だったが、ロンケロは地元の人たちの人気も集め、フィンランドの国民的な酒となった。

ハートウォール社の元祖ロンケロ 写真はレストランで出たものでポピュラーなのは缶入り

 そのロンケロが、なぜ今「再ブレイク」しているのか。それには法律の改正が関係している。フィンランドでは、アルコール度数の高い酒は「アルコ」という国営の専売店でしか買うことができない。長らく、「アルコ」以外の小売店で売れるのはアルコール度数4.7パーセント以下の酒だったのだが、今年1月の改正法の施行により5.5パーセントの酒までは、スーパーなどでも買えるようになった。そして、この5.5パーセントというのが、まさにハートウォールがオリンピック開催時に発売した「正統派」ロンケロの度数なのだ(現在のロンケロには度数がこれより高いもの、低いものがある)

「高アルコール度数」の酒のスーパー販売解禁日には、「最初の客になるぞ」と開店前に店に並んだ人までいたらしい。首都ヘルシンキの大手スーパーを訪れると、陳列棚に様々な種類のロンケロが並んでいた。単にこまめに商品を補充していなかったからかもしれないが、閉店が近いロンケロ売り場の棚は少し寂しいぐらいに商品がはけていた。トップメーカーのハートウォール社は、「フィンランドの醸造・清涼飲料連盟によれば、今年前半ロングドリンク(プレミックスカクテル)の売り上げは、対前年比で40パーセント増加した」と指摘する。

 そうした中、ヒットを飛ばしたのは、大手飲料会社のオルヴィが2013年設立の新進メーカー、ヘルシンキ蒸留酒製造所と手を組んで今春発売した商品だ。ヘルシンキ蒸留酒製造所は100年以上ぶりにヘルシンキに誕生したクラフト蒸留所。看板商品のひとつであるクラフトジン「ヘルシンキ・ドライジン」は、毎年ベルリンで開催されるクラフトスピリッツ(蒸留酒)のフェスティバル「デスティレ・ベルリン」で2016年「今年のスピリッツ賞」を受賞している。新商品のロンケロには、これにフィンランドの国民に親しまれている酸味の強いベリー類、リンゴンベリーを合わせた。これは、「ヘルシンキ・ドライジン」に使われるボタニカル(蒸留時に使う草根木皮)のひとつでもある。

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