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証券購入資金、銀行口座から自動入金 利用者広がる 特定の金融機関の間、金利も高め

2018/9/11

銀行口座と証券口座間の自動資金移動が無料でできる

 証券会社の総合口座で買い付け資金が足りないときに、銀行口座から自動的に資金を移せるサービスがあると聞きました。どのようなサービスですか。

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 特定のインターネット銀行と証券会社の口座間で自動的に無料で入出金できるサービスを「スイープサービス」と呼ぶ。

 証券会社で株式や投資信託などを購入する際に、口座に資金を移す手間が省ける。逆に売却して現金化すると、自動的に銀行口座に資金が移る。利用者への特典として通常の普通預金よりも高い金利を適用する銀行が多い。

 先行したのは住信SBIネット銀行とSBI証券だ。2007年9月に「ハイブリッド預金」の取り扱いを始めた。大和ネクスト銀行と大和証券は11年5月に「ダイワのツインアカウント」を開始。17年2月には楽天銀行と楽天証券が口座連携サービス「マネーブリッジ」にスイープ機能を追加した。

 スイープ機能を利用する人は着実に増えている。18年3月末時点でダイワのツインアカウントの口座数は126万6000件と、5年前と比べて82%増えた。マネーブリッジの利用者数も63万3000人と1年前より36%増えている。18年7月にネット事業を始めたGMOあおぞらネット銀行も、GMOクリック証券と連携するサービスを提供している。

 利用には連携する金融機関のそれぞれに口座を開設していることが条件となる。大和ネクスト銀のように、口座開設には大和証券の口座の保有か開設を条件とする銀行もある。

 普通預金と比べて高い特典金利が適用されるのも利点だ。マネーブリッジの利用者は楽天銀行の預金金利が年率0.1%(税引き前、以下同じ)と通常の5倍。ハイブリッド預金も0.01%と10倍になる。GMOの証券コネクト口座では今年末までに口座を作ると、半年間年0.15%のキャンペーン金利を得られる。

 スイープサービスをマネー・リザーブ・ファンド(MRF)の代替機能と位置づける証券会社もある。MRFは普通預金のような決済機能を持つ投資信託。マイナス金利で運用環境が厳しく現在、主要なMRFの年換算利回りは0%だ。

 楽天証券はスイープ機能の導入を受け、17年11月にMRFを廃止。SBI証券も11年6月に新規買い付けを終了している。GMOクリック証券はそもそもMRFを提供していない。

 スイープサービスの利用者は通常の普通預金より高い金利を得られるが、今後も優遇金利がずっと続くとは限らない点に注意が必要だ。スイープサービスではないが、野村証券やSMBC日興証券、他のネット証券も銀行と連携し、簡単な操作で即時入金できるサービスを提供している。自分の投資行動に合ったサービスを提供する金融機関を選ぶとよいだろう。

[日本経済新聞朝刊2018年9月8日付]

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