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毎月分配投信、支払いの9割元本取り崩し 実態確認を QUICK資産運用研究所 高瀬浩

2018/9/12

分配金に占める特別分配金の割合が多いほど無理な分配をしていることになるが、どちらを受け取るかは投資家ごとに違ってくる。個々の投資家の購入元本(個別元本)は投資時期によって異なり、ある投資家には普通分配金となっても別の投資家では特別分配金になる場合があるからだ。特別分配金を受け取るとその分、個別元本は減額となる。

■分配金の中身を運用益と元本取り崩しに分解

毎月分配型に限った話ではないが、投信は運用益が出ているときは普通分配金、出ていないときは元本取り崩しにより特別分配金を出す。分配金を支払うと投信の基準価格はその分下がるが、個別元本と分配後の基準価格を調べれば、普通分配金と特別分配金の額を知ることができる。

その考え方はこうだ。例えば、ファンドを1万円で購入した場合、当初の個別元本は1万円になる。このファンドについて、

(1)1000円の分配金が出て、分配後の基準価格が9500円となった場合、個別元本(1万円)に比べ下がった分の500円が特別分配金となり、残り500円が普通分配金となる。

(2)同じケースで、分配後の基準価格が8500円となった場合、基準価格は分配金の1000円を超えて下がったので、分配金1000円は全て特別分配金となり、普通分配金は0円となる。

(3)同じケースで、分配後の基準価格が1万500円となった場合、個別元本を上回っているので分配金はすべて運用益で賄われたことになり、普通分配金は1000円で、特別分配金は0円となる。

QUICK資産運用研究所はこの考え方に基づき、分配金の中身を分析した。ファンド保有者全員の平均購入単価を計算し、それをファンドごとの個別元本と見なした。毎月分配型ファンド全体について、支払った分配金を運用益と元本の取り崩し分に分解したのがグラフBだ。計算上、分配金は再投資に回さず、すべて現金で受け取ったという前提にしている。

■08年以降は元本取り崩しが過半を占めるように

グラフBを見ると、07年までは分配金の大半が運用益で賄われていたのに対し、08年以降は元本の取り崩しが過半を占めるようになったのが分かる。元本取り崩しの状況は13~14年には改善し、分配金の7割程度が運用益で賄われるようになっていたが、ここにきて再度状況が悪化。16年は分配金の約9割、17年は約7割、18年(7月末時点)は約9割が元本の取り崩しとなっている。

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