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毎月分配投信、支払いの9割元本取り崩し 実態確認を QUICK資産運用研究所 高瀬浩

2018/9/12

写真はイメージ=123RF

毎月決算を行い、投資信託の購入者に分配金を毎月支払う「毎月決算型(毎月分配型)ファンド」からの資金流出が一段と進んでいる。不自然で過度な分配金の支払いが敬遠され、資金流入にブレーキがかかったことが大きな背景だ。QUICK資産運用研究所が開発したファンドの分配金の中身を分析する手法によると、2018年(7月末時点)は分配金の約9割が元本の取り崩しで賄われていることが明らかになった。人生100年時代をにらんで退職世代の資産運用として毎月分配型ファンドは再び注目されているが、投資にあたってはこうした実態を知っておくことが大切だろう。

■2011年から始まっていた? 毎月分配型の変調

08年9月のリーマン・ショックから10年。毎月分配型ファンドの全体の運用資産残高はリーマン当時に落ち込んだものの、14年末の約43兆円まで拡大が続いた(グラフA)。しかし、その後は一貫して減り続け、18年7月末時点で約26兆円と14年末比で4割減少した。

投信の残高は運用により増減する。これに加え、分配金を支払うとその分、残高は減るが、資金流入が多いと影響は軽減される。逆にいえば、分配金を維持したままで資金流入が細ると残高は目減りしやすい。

年間資金流入額と分配金支払総額を見ると、10年までは一貫して資金流入額が分配金支払総額を上回っていたのが11年に逆転。それ以降は、分配金支払総額が資金流入額を上回る状態が続いており、17年は資金流入どころか流出になっている。分配金引き下げにより、分配金支払総額が15年をピークに減っている。相次ぐ分配金の減額で解約超過の状態に陥ってしまった。

金融庁が「複利効果を得られず、資産形成に役立たない」などとして、毎月分配型の問題点を俎上(そじょう)に載せ始めたのは16年ごろだが、資金の流れは11年ごろから変調を来していたわけだ。投資家は早くから毎月分配型の限界を認識していた可能性がある。

限界とは元本を取り崩してまで分配するという仕組みだ。ここで分配金の中身をおさらいしよう。上場投信(ETF)を除く追加型の株式投信では、個々の投資家が受け取る分配金には2種類あり、運用益を基にした「普通分配金」と元本の一部取り崩しに相当する「特別分配金(元本払戻金)」のどちらか、もしくは両方になる。

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