ニコンの新フルサイズミラーレス 気持ちよく高画質

ニコンが2018年9月下旬に出荷を始める「Z 7」。「NIKKOR Z 24-70mm f/4 S」を装着したところ。このレンズとのセットの実勢価格は51万3000円(税込み)
ニコンが2018年9月下旬に出荷を始める「Z 7」。「NIKKOR Z 24-70mm f/4 S」を装着したところ。このレンズとのセットの実勢価格は51万3000円(税込み)

ニコンがフルサイズ(撮像素子が35mmフィルムと同じ大きさ)のミラーレス一眼カメラ「Z 7」「Z 6」をそれぞれ2018年9月下旬、11月下旬に出荷する。フルサイズミラーレスはソニーが先行して市場を築いたが、ニコンに続き、キヤノンも10月下旬に「EOS R」を発売予定。にわかに激戦区となってきた。「Z 7」の試作機から、ニコンのフルサイズミラーレス機の実力を見てみよう。

新レンズマウントは大口径が魅力

「Z 7」「Z 6」の最大の特徴は新たなレンズマウントを採用したこと。「Zマウント」と呼ばれるそれはマウント内径が55mmと、とても大きい(ソニーのEマウントは約46mm)。明るいレンズの開発が可能になり、魅力的なレンズラインアップが期待できる。またボディー内手ブレ補正機構も搭載。最大5段分の効果を発揮しシャープな像を提供してくれるのがうれしい。

Z 7は4575万画素という高い解像度を誇る。緻密なディテールと自然な色再現を、軽量コンパクトなボディーで存分に楽しめる。ビル壁面のトーン豊かな写りがいい

「Z 7」は4575万画素、「Z 6」は2450万画素の撮像素子を搭載。加えて撮像素子のデータから画像を作り出す画像処理エンジンには、新しくなった「EXPEED 6」を採用するなど、より高次元の画質が期待できる。

「Zマウント」 に対応する直線基調のソリッドな外観デザインの新レンズ「NIKKOR Z」も同時に3本発表された。コンパクトに収納できる沈胴方式を採用した標準ズームレンズ「NIKKOR Z 24-70mm f/4 S」、スリムながら高画質を誇る「NIKKOR Z 35mm f/1.8 S」、開放時のボケ味が魅力の「NIKKOR Z 50mm f/1.8 S」だ。どれも「S-Line」と呼ばれるグレードの高いレンズとなる。

そして「Zマウントシステム」の象徴となるモンスターレンズ、「NIKKOR Z 58mm f/0.95 S Noct」の開発も発表された。開放F値「0.95」となるこのレンズはニッコール史上最高の明るさのレンズとなり、高い解像力とボケ味を実現するという。続々と投入される「NIKKOR Z」のレンズロードマップが公開され、今後の展開が明らかになっているところもニコンファンとして心強いところである。

またZシリーズに従来のFマウントレンズを装着できるマウントアダプター 「FTZ」の存在も頼もしい。ニコンによると「AI NIKKOR以降の約360種のNIKKOR FマウントレンズでAE撮影が可能で、さらにそのうち、モーター内蔵のAF-P、AF-S、AF-Iレンズ計90種以上でAE/AF撮影が可能です」とのことで、今までのレンズ資産が安心して活用できる。

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使って気持ちよい「Z 7」