MONO TRENDY

AVフラッシュ

冬まで待て 「その4Kテレビ」は買ってはいけない!

2018/9/13 日本経済新聞 夕刊

東芝映像ソリューションの新モデルは新4K放送を受信できるチューナーを内蔵している

 「新4K放送」が12月にスタートする。しかし現在店頭に並んでいる4Kテレビのほとんどは、実はそのままでは新4K放送を見られない。4Kテレビへの買い替えは待ったほうがいいのか? 新放送の仕組みとともにさぐってみる。

 ◇   ◇   ◇

 「4Kテレビは今、非常にお安くなっていますよ」。家電量販店に並ぶテレビを眺めていると店員が声をかけてきた。すすめられたのは50型の4K液晶テレビで価格は10万円前後。確かに安い。

■販売中の多く、視聴できず

 「家電エコポイントのときに買ったテレビもずいぶん古くなったし」と思わず財布のひもを緩めそうになるが、ちょっと待ってほしい。現在、販売されている4Kテレビのほとんどは、12月に始まる「新4K放送(4K・8K実用放送)」を見ることができないのだ。

 地上デジタル放送の4倍の高精細な画質が売りの新4K放送は「BS」と「110度CS」を使った衛星放送。2011年に地上アナログ放送が地上デジタル放送へ完全移行したのとは異なり、既存チャンネルはそのままに、新たな4K専用チャンネル(放送局)が追加される。ただ、視聴には専用の4Kチューナーやアンテナが必要。量販店などに並ぶ4Kテレビのほとんどは、実はこの4Kチューナーを内蔵していない。

 新4K放送の普及を推進する一般社団法人放送サービス高度化推進協会が2月に調査したところ「新4K放送を見るには発売中の4Kテレビに加え専用チューナーも必要」と正しく理解していたのは13%にすぎなかった。一般の理解度はまだまだ低いのだ。

■内蔵のモデル、冬まで待つ

 ではどうすればいいのか?これから4Kテレビを買う予定の人は、取りあえず冬まで待ったほうがいい。放送開始までには4Kチューナー内蔵の4Kテレビを各社が発売することが見込まれ、機能やスペックを検討して商品選びができる。

 使っていたテレビが故障したなど、時間的に余裕がない場合は、4Kチューナーを内蔵している東芝映像ソリューション(以下、東芝)の新モデルが唯一の候補になる(8月中旬時点)。東芝は、購入後に送られてくるUSBタイプの「新CASモジュール」をユーザーがテレビの背面に取り付けて、ソフトウエアアップデートを行うことで、新4K放送の受信が可能になる仕組みだ。

 4Kテレビをすでに購入した人は、外付けの4Kチューナーが必要になる。4Kチューナーは10月以降、各社が販売を始める見込み。価格は2万~5万円程度だろう。

 新4K放送には衛星放送用のアンテナも必要になる。新4K放送は、チャンネル(放送局)によって「右旋偏波」と「左旋偏波」の2種類の放送波を使い分ける。右旋は「NHK BS4K」や「BSテレ東4K」などの無料放送、左旋は「J SPORTS(4K)」や「スカチャン4K」といった有料放送や「ショップチャンネル 4K」のような通販番組が中心だ。右旋は従来から使われている放送波なので、今までのBS・CSアンテナが使える。

 つまり、これまでBS放送を受信していた人は、テレビを4Kチューナー内蔵モデルに替えるだけで新4K放送の無料番組を視聴できる。

 ただし、築年数が10年を超えるようなマンションだとBSアンテナの設備が古く、すべての新4K無料放送を受信できないといったケースもありそうだ。

 見極めは、BS放送波の一番高い帯域を使う「D life(BS258)」を見られるかどうか。もし映らなければ、アンテナなどの取り換えが必要になる。

 一方、有料放送が中心の左旋を見るには、「右左旋共用」のBS・CSアンテナを設置するだけでなく、場合によってはブースターや分配器のほか、ケーブルを含めた宅内配線まで替えなければならない。アンテナ設置や配線工事など、視聴へのハードルは右旋よりもはるかに高い。

(日経トレンディ10月号より再構成)

[日本経済新聞夕刊2018年9月8日付]

MONO TRENDY新着記事

ALL CHANNEL