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投資に役立つ 伝説の米コンサルの分析法(苦瓜達郎) 大和住銀投信投資顧問シニア・ファンドマネージャー

2018/9/11

写真はイメージ=123RF
「ロングセラー、『コンサルタントの秘密』は具体的かつ実践的な内容が特徴だ」

中学生時代までは読書家だったのですが、高校入学以降はあまり本を読まなくなってしまいました。周囲の人たちの話を聞いていれば知的好奇心が満たされるようになったので、あえて本を読む必要を感じなくなってしまったのです。おそらく現在の読書量は大半の読者の方よりも少ないでしょう。

それでも、社会人になってから読んだ数少ない本の中で、深い感銘を受け、私の中で血となり肉となったものが何冊か存在します。その中の一冊が日本でも30年近く売れ続けているロングセラー、「コンサルタントの秘密」です。前回コラム「投資判断の重要なカギ まず企業像つかむ」でも言及した企業の分析手法にも大きく関係するので、本の内容をご紹介しましょう。

■具体的かつ実践的な内容が特徴

著者のG・M・ワインバーグ氏はコンピュータープログラミングの業界では有名な米国人コンサルタントであり技術者です。1950年代から活躍を続けている伝説的な人物ですが、日本では知らない人が多いかもしれません。先月に亡くなるまで著作活動を行っていました。

具体的かつ実戦的な内容が特徴で、特にこの本は身近な例え話と印象的な格言を多用することにより、とても読みやすく理解しやすい一冊になっています。

本の構成は、コンサルタントという仕事の本質→問題分析の手法→顧客へのフィードバックのやり方→プロとして生きていくための心構え――という流れになっています。現在、私はファンドマネジャーですが、この本を読んだときはアナリストでした。仕事に直接関係することもあって、大いに興味を引かれたのが問題分析の手法です。第4章「そこにあるものを見るの法」、第5章「そこにないものを見るの法」がそれにあたります。

■顧客へのインタビューをどう進めるか

「そこにあるものを見るの法」は、顧客に対するインタビューをどのように進めるかについて書かれた章です。そこで最も強調されているのは、問題を分析するにはまず顧客から背景となる経緯についてしっかり聞き取るという方法論です。前回コラムで企業の本質をつかむには沿革から検証していくのが一番だと書きましたが、この考え方はまさにこの本から影響を受けたのかもしれません(この本を読む前からそうしていたような気もしますが、もはや判別できないくらい、内容が私の思考に染み込んでいます)。

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