会員制の名門ゴルフ場として、外国人客の開拓を進める「ザ・ノースカントリーゴルフクラブ」(北海道千歳市)。太田康裕総支配人へのインタビューの前編(「外国人客とコンペいかが ゴルフ場が会員に勧める理由」)では、厳選した海外のゴルフ場と提携し、日本人会員との交流を促した狙いを聞きました。実際に、日本人会員の外国人に対する苦手意識はなくなったのしょうか。後編では交流の成果について深掘りします。(聞き手はインバウンドのコンサルティング会社、やまとごころの村山慶輔代表)
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――合同コンペを2010年に始めたということですが、日本人会員の反応はどうでしたか。
「当初はみな尻込みしてしまったため、当クラブの理事など役職についていただいている方にお願いして参加してもらいました。しかし回を重ねるごとに、『楽しかった』という評判が会員の間に伝わり、参加者が広がってきました。いまでは繰り返し参加する方もいらっしゃいます」
──合同コンペで、外国人のお客さんとの交流を深めてもらうためのポイントがあれば教えてください。
「コンペは4人1組で回りますが、異なるクラブのメンバーが2人ずつ入るようにしています。つまり外国人のお客さんと必ず交じるわけです。その際には、片言でもいいので英語ができる会員を1組に1人は入れて、交流の助けになるようにしています。もっともタイやマレーシアのゴルフ場から来たお客さんの場合、彼らも英語が母国語ではないので、お互いに片言の英語でということもあります」
――初対面で、しかも外国人ということで、コンペは盛り上がるのでしょうか。
「同じ組になると、4~5時間は顔を合わせて一緒にプレーします。コースについては日本人の会員がよく知っていますから、外国人のお客さんにいろいろアドバイスするでしょう。いいショットが出れば『ナイスショット』『ナイスオン』などと互いに声を掛け合いますし、外国人のお客さんのために写真を撮ってあげることもあります。そういうなかで、自然と打ち解けてきます。外国語を話せなかった日本人の会員も、最後にはあいさつや乾杯ならできるようになりますし、逆に外国人のお客さんも簡単な日本語を覚えて帰っていきます」
合同コンペを契機にリピーターも
――コンペの後には一緒に懇親会を開いて、食事したり表彰したりするのですか。
「もちろんです。できるだけ日本らしさ、北海道らしさを出すよう工夫しています。たとえば司会は私どもの女性スタッフが浴衣を着て、日本語と英語の両方で話します」