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21年目の奇跡! 国宝級3代目センチュリーに乗る

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NIKKEI STYLE

日経トレンディネット

今回ばかりはひさびさ超感動! 自動車ジャーナリストになって良かったと、心底思える新車に乗ることができました。それは21年ぶりにフルモデルチェンジされた日本の超VIPカー、トヨタ自動車のセンチュリー。

ラクに30年間、20年つくり続けるあり得ないVIPカー

1967年から97年までつくられた初代、97年から2017年までつくられた2代目に続く3代目モデルで、51年間をたったの2モデルで守り続けた高級車なんて、聞いたことがありません。

世界的にもほぼあり得ない超ロングセラー&少量生産車で、聞いて驚き、月間販売目標台数わずか50台(※7月と8月の販売実績は、目標を超えている(同社広報))。塗装だけで5日間掛けるとも言われる手づくりカーで、しかも日本市場限定。ごくまれに海外に出されることもあるようですが、それはあくまでも試験的なケース。同社の「クラウン」以上に、日本人による、日本人のための、日本の高級車なのです、このクルマは。

ってなわけで小沢、今回は身を引き締めたつもりが、あまりの暑さで半ズボンで乗ってしまいました、スイマセン。いざ、気持ちを切り替えてコージチェーック!

塗装ブースで1週間かけるテロテロオーラ

いよいよ実物ですが威圧感はまさに独特。全長×全幅×全高は5335×1930×1505mmと一回り拡大し、欧州VIPカーのロールスロイスやベントレー並みになってますが、確実にひと味違う印象。ボディーは大きいのになぜか控えめ、しかも上品。

「そこのけそこのけ」感は少なく、これにはフロントグリルが効いてます。サイズ自体は大きいですが外形はパルテノン宮殿を模したロールスロイスのような強い押し出しはなく、中の細工がやたら細かい。日本古来の七宝文様を使っていて、強いというより繊細。前後ライト類も灯籠のようだし、エンブレムにしろ彫金の匠が金型を手彫りした鳳凰ですから。

さらに全体のテロっとしたボディーの輝きがなんとも。今回採用したサイドのショルダー部の「几帳面」と呼ばれるプレスラインの繊細さもさることながら、塗装は前代未聞の7層コート。2人がかりで1回1.5時間かかる水研ぎを実に3回(レクサスは1回)もやっているそうで、時間にして約40時間、日程にして約5日間。「実質1週間ぐらいは塗装ブースに置かれる」というから驚き。独特のとろけるようなツヤ感は不思議に硬いチーズのようです。

バンパー類は確実にモダン感と一体感を増し、欧州車顔負け、ひと目でセンチュリーと分かると同時に新しさも感じられるデザインになってます。

広さを備えた和な茶室クオリティー

かたやインテリアですが、後席から言うと乗り降りのしやすさが圧倒的。ホイールベースが3090mmもあるのでフロアは広いし、特に足元が超広い。足が弱っていてもつまずくことはなさそうです。

加えて目の前の横長11.6インチディスプレーがデカい。まさにこれぞショーファードリブン、運転手付きで乗るクルマであり、いつものクルマとは主従関係が逆転してます。

天井にしろ素材から上質だし、バニティミラーは照明付きだし、ドアの内ノブは木目付きの亜鉛の塊。軽すぎるアルミはあえて避けたようでなんとも細かすぎる配慮。

当然、オプションの本革は特殊ななめし加工が施された超柔らかい極美革で、ウッドも欧州的な濃厚色ではなく、淡い色合いのタモ杢パネル。威圧感以上に優しさがあります。

新聞が読めて、メールが打てる乗り心地

そして乗り心地はというと、とにかくやたら静か。もともと静かだったセンチュリーですが、今回ハイブリッド化されて、発進加速はほぼ無音のEV状態でこなします。しかもスピードを上げてエンジンが掛かっても始動の瞬間がまず分からない。そのころにはタイヤノイズも増え、街の雑踏にかき消されちゃうからです。

また後席は目線の揺れがとにかく少ない。「オーナーから、センチュリーは後ろで新聞が読めなきゃダメと言われましたし、携帯メールも打てなきゃいけない」(開発責任者の田部正人主査)だそうで、柔らかさ重視の旧型以上に、ダンピングを重視し、フラット感を高めたとか。

ついでに感心したのはシートマッサージ機能で、こちらは新型LS譲りの世界最高峰の機能が移植され、ホントに気持ちいい。これだけでも他のクルマにつけたくなるほどです。助手席側のみ可能な足を載せられるオットマン機能も、前席のシートのクッション性を落とさない背もたれ分離型に進化。細かい配慮が行き届いてます。

ちなみにトランク容量は484L。9.5インチのゴルフバッグ4個はキッチリ入るとのこと。

EV走行からHV走行になる瞬間も滑らか

気になるハンドリングは、まさにねっとりすっきり絶妙のフィーリング。もちろんキレキレでダイレクトな手応えはありませんが、急カーブでもしっとり横Gの出方を確認しつつ、ドライバーがキッチリ曲がれるようになってます。

タイヤノイズの少なさもすごく、なぜならタイヤは新開発のブリヂストンのレグノを標準装備。これまた無用なノイズ、揺れを抑えつつ、ダンピングに気を使った専用開発品。

パワートレインは旧LS600h譲りの381psの5L V8と224psの電気モーターの組み合わせですが、エンジンパワーはLS用より10kW抑えられていてより穏やか。そのほか低速から高速へのつながりの良さが印象的。

EV走行からハイブリッド走行になる瞬間が本当に滑らかに設定されていて、運転席にいてもよっぽど注意してないとエンジンが掛かったことに気づきません。特に高速だったらほとんど分からないでしょう。

ちなみにJC08モード燃費は13.6km/Lと車重2トン超えを考えるとかなり優秀。

一方、今回のアップデートで自動ブレーキなどの先進安全機能をひと通り搭載。とはいえ最新の二世代目トヨタ・セーフティ・センスは搭載しておらず、一瞬いいのか? と思いましたが、基本プロドライバーしか乗らないクルマなので、今回搭載した予防安全のブラインドスポットモニターやクリアランスソナー(パーキングサポートアラート)でほぼ十分だったとか。特殊な用途の高級車だけあります。

感動のニッポン超内弁慶高級車の生態

今回面白かったのは圧倒的な静粛性、上質な乗り心地、しっとりしていつつ以前より手応えあるハンドリングもさることながら、日本ならではの特殊な超高級車としての生態であり、求められる要件です。

ヘンな話、妙な見栄や自己主張はいらない。とはいえ路上での安全性のためにも、一定のオーラを放ち、他者を寄せ付けないような存在感は持っていなければならない。まさに日本の、それも大手企業の社長達がまとうべき空気感であり、そこが欧州のVIPカーと違って微妙なのです。

明らかにロールスロイス、メルセデス・マイバッハ、ベントレーとは違う控えめかつ実質指向の上質感。日本ならではのアンダーステイトメント思想めいたものを感じました。

加えて聞いて安心しましたがこのセンチュリー。少ないとはいえ旧型は初期は月に100台以上売れ、末期でも30~40台は売れていたとか。その大半は日本の大手企業向けだそうですから、センチュリーの存在は日本の経済がそれなりに元気な証でもあるのかもしれません。

いろいろ言われてますが、いまだ日本は世界第3位の経済大国として立派に躍動している。それを新型センチュリーに乗って実感した次第なのです。

小沢コージ
 自動車からスクーターから時計まで斬るバラエティー自動車ジャーナリスト。連載は日経トレンディネット「ビューティフルカー」のほか、『ベストカー』『時計Begin』『MonoMax』『夕刊フジ』『週刊プレイボーイ』、不定期で『carview!』『VividCar』などに寄稿。著書に『クルマ界のすごい12人』(新潮新書)『車の運転が怖い人のためのドライブ上達読本』(宝島社)など。愛車はロールスロイス・コーニッシュクーペ、シティ・カブリオレなど。

[日経トレンディネット 2018年8月17日付の記事を再構成]

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