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プログラミング教育必修化に壁 教職員になお戸惑い

2018/9/11

プログラミング教育の出前授業が活発に(都内の小学校で)=伊藤忠テクノソリューションズ提供

 2020年度から小学校で「プログラミング教育」が必修化されます。全国の小学校で本番に向けた準備が始まっていますが、教職員の間には、なお戸惑う声があります。

 プログラミング教育では、コンピューターが人間の意図に従って動くように指示する記号の組み合わせ方などを学びます。文部科学省は、プログラミング言語を覚えさせるのではなく、論理的な思考力を養うのが目的だと説明しています。

 富士通総研の榎並利博主席研究員は「コンピューターの基礎的な原理を小学生のうちに知ることは大切だ。原理を知らないと、コンピューターやAI(人工知能)を妄信する危険性がある」とプログラミング教育の意義を強調します。

 経済産業省は、30年時点で日本のIT(情報技術)関連産業に携わる人材が最大で約79万人不足するとの推計を示しています。プログラミング教育には、将来、IT産業で活躍する人材を育てる狙いもあります。榎並氏は「多くの市民がITを活用して社会課題の解決に取り組む“シビックテック”の基盤にもなる」と期待しています。

 コンピュータソフトウェア協会(東京・港)は17年8~10月、小中学校の教職員を対象に情報教育に関するアンケート調査をしました(回答数は326)。プログラミング教育の課題を尋ねると、「機材やネットワーク環境の不足」「県、市、教育委員会の支援」「学習・研修時間の不足」「教員人材の不足」が上位でした。

 同協会が、さくらインターネットの協力を得て今年初めに実施したアンケート調査では、企業からの出前授業を見学・体験した教職員のうち、自分にも「できる」または「できそう」との回答が合計で87%。「専門用語の解説がないと、何のためにやっているかがわかりづらい」といった厳しい意見もありましたが、同協会の原洋一理事・事務局長は「前回の調査に比べると、前向きな思考の教職員が増えている」と評価しています。

 ただ、具体的なカリキュラムの内容、企業や専門家との協力の方法、予算の配分などについて、なお指針が定まっていない学校は多く、試行錯誤を続けています。

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