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プログラミング教育必修化に壁 教職員になお戸惑い

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NIKKEI STYLE

2020年度から小学校で「プログラミング教育」が必修化されます。全国の小学校で本番に向けた準備が始まっていますが、教職員の間には、なお戸惑う声があります。

プログラミング教育では、コンピューターが人間の意図に従って動くように指示する記号の組み合わせ方などを学びます。文部科学省は、プログラミング言語を覚えさせるのではなく、論理的な思考力を養うのが目的だと説明しています。

富士通総研の榎並利博主席研究員は「コンピューターの基礎的な原理を小学生のうちに知ることは大切だ。原理を知らないと、コンピューターやAI(人工知能)を妄信する危険性がある」とプログラミング教育の意義を強調します。

経済産業省は、30年時点で日本のIT(情報技術)関連産業に携わる人材が最大で約79万人不足するとの推計を示しています。プログラミング教育には、将来、IT産業で活躍する人材を育てる狙いもあります。榎並氏は「多くの市民がITを活用して社会課題の解決に取り組む"シビックテック"の基盤にもなる」と期待しています。

コンピュータソフトウェア協会(東京・港)は17年8~10月、小中学校の教職員を対象に情報教育に関するアンケート調査をしました(回答数は326)。プログラミング教育の課題を尋ねると、「機材やネットワーク環境の不足」「県、市、教育委員会の支援」「学習・研修時間の不足」「教員人材の不足」が上位でした。

同協会が、さくらインターネットの協力を得て今年初めに実施したアンケート調査では、企業からの出前授業を見学・体験した教職員のうち、自分にも「できる」または「できそう」との回答が合計で87%。「専門用語の解説がないと、何のためにやっているかがわかりづらい」といった厳しい意見もありましたが、同協会の原洋一理事・事務局長は「前回の調査に比べると、前向きな思考の教職員が増えている」と評価しています。

ただ、具体的なカリキュラムの内容、企業や専門家との協力の方法、予算の配分などについて、なお指針が定まっていない学校は多く、試行錯誤を続けています。

伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)と協力し、プログラミング教育の出前授業に取り組むNPO法人、企業教育研究会(千葉市)理事長の藤川大祐千葉大学教授は「子どもたちが興味を持ちやすい教材や、子どもたちの声を聞きながら授業を進めるノウハウの蓄積が、プログラミング教育が効果を上げるための条件になる」と指摘しています。

藤川大祐・千葉大学教授「企業の人が学校の中に入り、外の風を入れることが大事」

2020年度から小学校で必修化される「プログラミング教育」を軌道に乗せるには企業の協力が欠かせません。2000年代初頭から企業による出前授業を推進してきたNPO法人、企業教育研究会理事長の藤川大祐千葉大学教授に、出前授業の意義や成功の秘訣を聞きました。

――出前授業に注力してきたのはなぜですか。

「私の専門は教育の方法論、授業の実践開発です。子どもたちには、学校でしか通用しない知識を習得するばかりではなく、社会で活躍する人たちと関わり、生きた学習をしてほしいと考えてきました。私のもとで教育を学ぶ学生たちが、企業の出前授業を企画・実践するようになったのです。やがて社会貢献の一環で出前授業に協力する企業が増えてきました。学生が中心でも責任を負える組織が必要だと判断し、03年3月、NPO法人を立ち上げました。主に協力企業からの事業収入が運営資金になっています」

――学校や教職員によって出前授業に対する姿勢にばらつきがあるようです。

「私たちとしては積極的な学校に協力するしかありません。全国の学校が対象で、プログラムごとに募集していますが、人気が高いプログラムはすぐに埋まります」

――どんなプログラムがありますか。

「『みんなで考えよう、ケータイ』、『ウインナーの手作り体験教室』、『農業を支えるバイオテクノロジー』、『子ども向け環境教育プログラム』といった多様なプログラムがあります。特にジャンルを固定せず、幅広い業種の企業と協力しています。学校のプラスになり、子どもたちをひき付けるプログラムを作成するように心がけています。例えば、『みんなで考えよう、ケータイ』は、ソフトバンクと共同で開発した、スマートフォンやインターネットとの付き合い方を考える『情報モラル教育』のプログラムです。映像教材に収録している10分程度の楽しいドラマを視聴した後、グループごとに話し合いができる構成にしています」

――子どもたちにうまく教えるコツはありますか。

「私たちの出前授業では、教育学部で教師を目指している学生たちが司会進行し、企業の担当者には、子どもたちの作品や意見にコメントをしてもらう場合が多いです。企業による一方的なプレゼンテーションにならないように注意しています。今、親や先生以外の大人と接する機会が少ない子どもが増えています。出前授業で"格好良い"大人に接し、その大人に認めてもらうことで、子どもたちが将来のキャリアを考えるきっかけにもなります」

――文部科学省は出前授業をどのように位置づけていますか。

「旧文部省は1999年からキャリア教育の議論を始め、2000年代前半にその機運が盛り上がりました。中学校で職場体験学習が広がったりしましたが、やがて国際間の学力比較の方が優先度が高くなり、キャリア教育はあまり話題にならなくなりました。ただ、学力論争の中でも、経済協力開発機構(OECD)は社会で使える力をつけよと主張しているうえ、新学習指導要領は、『社会に開かれた教育』を柱にしていますので、改めて注目される可能性があります」

――プログラミング教育への取り組みは。

「伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)と協力し、4月から出前授業に取り組んでいます。6月には都内の小学校に出向きました。センサーを搭載した小型ロボットが3カ所の配達先を効率よく回るように、子どもたちはカラーコードを使って指示します。意図通りにロボットを動かすには、カラーコードをどこに置けばよいのかを考える力を身に付けさせる狙いがあります」

「全国の教育委員会は2年後の本格実施に向けて試行錯誤をしています。学校の教職員が教科の中で実施する"普及バージョン"と企業の助けを借りるシンボル的なバージョンが必要になるでしょう。CTCとの出前授業では、ITエンジニアという職業や、小型ロボットを動かしているシステムが子どもたちに見えるように工夫しています。『社会に開かれた教育』を象徴する授業だといえます。企業の人が学校の中に入って行き、外の風を入れることはとても大事です」

(編集委員 前田裕之)

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