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プログラミング教育必修化に壁 教職員になお戸惑い

2018/9/11

――子どもたちにうまく教えるコツはありますか。

「私たちの出前授業では、教育学部で教師を目指している学生たちが司会進行し、企業の担当者には、子どもたちの作品や意見にコメントをしてもらう場合が多いです。企業による一方的なプレゼンテーションにならないように注意しています。今、親や先生以外の大人と接する機会が少ない子どもが増えています。出前授業で“格好良い”大人に接し、その大人に認めてもらうことで、子どもたちが将来のキャリアを考えるきっかけにもなります」

――文部科学省は出前授業をどのように位置づけていますか。

「旧文部省は1999年からキャリア教育の議論を始め、2000年代前半にその機運が盛り上がりました。中学校で職場体験学習が広がったりしましたが、やがて国際間の学力比較の方が優先度が高くなり、キャリア教育はあまり話題にならなくなりました。ただ、学力論争の中でも、経済協力開発機構(OECD)は社会で使える力をつけよと主張しているうえ、新学習指導要領は、『社会に開かれた教育』を柱にしていますので、改めて注目される可能性があります」

――プログラミング教育への取り組みは。

「伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)と協力し、4月から出前授業に取り組んでいます。6月には都内の小学校に出向きました。センサーを搭載した小型ロボットが3カ所の配達先を効率よく回るように、子どもたちはカラーコードを使って指示します。意図通りにロボットを動かすには、カラーコードをどこに置けばよいのかを考える力を身に付けさせる狙いがあります」

「全国の教育委員会は2年後の本格実施に向けて試行錯誤をしています。学校の教職員が教科の中で実施する“普及バージョン”と企業の助けを借りるシンボル的なバージョンが必要になるでしょう。CTCとの出前授業では、ITエンジニアという職業や、小型ロボットを動かしているシステムが子どもたちに見えるように工夫しています。『社会に開かれた教育』を象徴する授業だといえます。企業の人が学校の中に入って行き、外の風を入れることはとても大事です」

(編集委員 前田裕之)

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