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勃興eスポーツ

eスポーツもPCからスマホへ アジアで専用機種続々

2018/9/7 日本経済新聞 朝刊

アジア大会の公開競技として実施された「eスポーツ」で対戦する台湾の選手(8月26日、ジャカルタ)=小高顕撮影

ビデオゲーム競技「eスポーツ」に韓国サムスン電子や中国・中興通訊(ZTE)などアジアのスマートフォン(スマホ)大手が注目している。「アジア競技大会(アジア大会)」で初の公開競技として採用され、今後さらに人気が高まるとみて、関連製品やサービスを拡充している。

8月26日、インドネシアの首都ジャカルタでeスポーツの試合がアジア大会の公開競技として始まった。同日は8カ国・地域が参加し、5対5でキャラクターを操作して相手陣地に攻め込む「アリーナ・オブ・ヴァラー(AOV)」の対戦が行われた。eスポーツ先進国の中国のファンを中心に大きな歓声が上がった。

大会閉幕前日の9月1日にはサッカーゲーム「ウイニングイレブン2018」を使った競技で日本が優勝。同大会を通じてのeスポーツの盛り上がりぶりがアジア各国で報じられた。

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アジア企業がこのeスポーツ人気にあやかろうとしている。サムスンは高性能スマホ「ギャラクシーノート9」で、人気ゲーム「フォートナイト」(アンドロイド版)を他社のスマホよりもいち早く遊べるようにした。同社は高精細な画面などを備え、ゲーム機能に特化したスマホを発売するとの噂も絶えない。

ゲーム専用スマホはすでに中国メーカーなどが発売。ZTEが4月、画面の表示速度などを高めたゲーム用スマホ「レッド・マジック」を発売したほか、台湾・華碩電脳(エイスース)も6月にゲーム用スマホを発表した。シンガポールのゲーム用パソコンメーカーのレーザーも昨年、画面の書き換え速度が速くゲームの動きがよりなめらかになるスマホを投入した。

eスポーツはもともとパソコン用ゲームで対戦することが多かったが、スマホの処理能力や描画能力が飛躍的に向上したことで、最近ではスマホを使った競技も増えている。インドネシアeスポーツ協会のエディ・リム会長は「最近のeスポーツはスマホにシフトし始めている」と話す。

オランダの調査会社ニューズーによると、eスポーツ全体の市場は2017年の6億5500万ドル(約730億円)から、21年には2.4倍の16億ドルに拡大する見通しだ。

特にアジアでは欧米に比べてスマホでeスポーツを楽しむ人が多く、eスポーツ関連収入の55%がスマホ経由だといい、欧米の29%を大きく上回る。同社は「スマホでのeスポーツは今後数年で日本やタイ、インドネシア、ベトナムでも開花する」と予測する。

(谷翔太朗)

[日本経済新聞朝刊2018年9月5日付]

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