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カリスマの直言

リーマン10年 バブル崩壊、歴史繰り返す(藤田勉) 一橋大学大学院特任教授

2018/9/10

2008年のリーマン・ショックから10年が経過する。写真はニューヨーク証券取引所(18年5月)=AP
「世界はおよそ10年に1度、バブルの発生と崩壊を経験してきた」

 世界のバブルの歴史は長い。過去40年間に、1980年代の日本の不動産バブル、1990年代のIT(情報技術)バブル、2000年代の米国住宅バブルとおおむね3度のバブルの発生と崩壊を経験した。つまり、およそ10年に1度、バブルが発生し、崩壊したことになる。

 08年のリーマン・ショックから、9月で10年が経過する。09年から始まった世界の景気拡大は既に9年超に達している。先進国のインフレ率と政策金利は歴史的に著しく低い水準である。株価は09年の高値から今年の高値まで、米国株(S&P500種株価指数)が4.2倍、日本株(日経平均株価)が3.4倍になっている。これらは過去のバブルと比較してもかなり長期で、かつ上昇率が高い。

■新興国通貨安などリスク要因は多い

 歴史は繰り返すといわれる。そうであれば、我々が気が付かないだけであって、既にバブルは発生しており、そしてそう遠くない将来、バブル崩壊がやって来ると考えられる。トルコなど新興国通貨の下落、世界的な金利上昇、米中貿易摩擦などリスク要因は数多い。

 筆者の経験からも、株価のピーク時に相場の転換点を認識することは困難だった。バブル相場の転換点の前後では、強い過熱感はあったものの、これといった大事件があったわけではなかった。突如として、相場が転換し、気が付いたときには長期下落相場に突入していた。

 例えば、リーマン・ショックは08年9月だったが、日経平均の直前の高値は07年7月だった。つまり、リーマン・ショックの予兆はその前年にあったのである。バブルを認識できた人はリーマン・ショック前に空売りして大もうけできただろうが、そんな人はほとんどいない。

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