ポーターの注目ビジネスリュック 軽く丈夫でシンプル
特集 人気3ブランド 秋の注目ビジネスリュック(上)
電車やオフィス街でリュックを背負っているビジネスパースンは珍しくなくなった。気候が涼しくなるこのタイミングで、新しいビジネスリュックを探している人に向け、ポーター(吉田カバン)、トゥミ、マスターピースという人気3ブランドの注目モデルを紹介する。第1回はポーター。売り上げ上位の中から、2018年に登場した新作も含め、使い勝手に優れた3モデルを厳選した。電車でも扱いやすい薄マチ、移動も苦にならない軽量、タフな素材で頑丈と、それぞれ個性が際立っている。
強度・軽さ・防水性を備えた薄マチモデル
最近のビジネスリュックの傾向として「電車での使い勝手や、スタイリッシュな見た目を考慮した、薄マチのデザインが多くなってきている」と言うのは、吉田カバン広報の阿部貴弘氏。人気ビジネスシリーズ「PORTER TIME」の「DAYPACK」の新型として、18年春夏に発売された本作も、トレンドの薄マチとなっている。
軽くて丈夫なオリジナルのコーデュラナイロン生地を使用しているのが、シリーズ全体の特徴。生地の表面にはっ水・防汚効果のあるフッ素樹脂加工を、裏面にPVC(塩化ビニール樹脂)加工を施し、水が内部に染み込まないように作られている。
ビジネスでの使用を考慮し、薄マチながら自立する構造。リュック内部の背胴側には独立したパソコン(PC)収納コンパートメントを備える。ペットボトルホルダーもリュック内部にあるため、すっきりとした見た目を損なうことがない。オン・オフ兼用できるスリムなフォルムに、強度・軽さ・防水性と、ビジネスバッグに求められる機能をしっかり搭載している。
18年3月の発売から高い売り上げを維持し続けているというこのモデルだが、阿部氏によると「ビジネスカテゴリーにもかかわらず、色はネイビーが人気」。ビジネススタイルのカジュアル化が進んでいることがうかがえるエピソードだ。
売り上げNo.1のビジネスリュック
ビジネスタイプだけでなく、カジュアル向けのトートバッグなどにもPC収納ポケットを設けた、モバイル対応シリーズ「DRIVE」。02年発表のロングセラーシリーズだ。今回紹介する「DRIVE DAYPACK」は、ポーターの男性向けビジネスリュックで一番売れているモデル。「デイパック全体でも実績が10位以内に入る人気品番です」(阿部氏)
PCのほかケーブルやアダプターなど周辺機器を収納できるポケットを搭載。軽量なナイロンツイル生地の裏面にはPVC加工を施してあり、雨から荷物をしっかり守る。
コンパートメントは2つで、収納性能は十分。作りがシンプルゆえに、デザインもすっきりしている。
「発売から15年以上が経過していますが、今でも売れ行きは安定しています。アイテムのクオリティーの証明だと考えています」と阿部氏。時代に左右されないシンプルなデザインだからこそ、作りのよさが際立つのだろう。ビジネスユースはもちろんのこと、休日バッグとしても活躍する。
タフな生地を採用したオンオフ兼用
「PORTER BOND」は、東レの先端テクノロジーを活用した超高強力ナイロン素材「GAIFU(ガイフ)」を使用したシリーズ。航空機のタイヤコードなどにも用いられる非常にタフな生地で、一般的なナイロン生地に比べて約2倍の引裂強度と、約1.6倍の引っ張り強度を持つという。
今回取り上げた「PORTER BOND DAYPACK」は、生地表面にはっ水加工を施しているため、水にも強い。立体的なフロントポケットは使い勝手がよく、内装にはクッション入りのPC収納ポケットを搭載する。背胴側にも大きな収納スペースがあり、書類のほか、ここにPCやタブレットを入れることもできる。
要所にレザーを使うことでカジュアルな雰囲気を抑え、オールブラックでスーツにも合わせやすいデザインに仕上げている。しっかりとしたフォルムをキープするため、本体の前面と背面、底部に芯材が入っており、自立するのも特徴。タフな素材を使ったハードな見た目に反して、約1kgと軽量な作りも魅力だ。
「ビジネスリュックの需要が高まっていることもあり、売り上げは前年比で115%の実績」(阿部氏)と人気も高い。オン・オフ兼用ができて、他人とひと味違うリュックを探している人にとっては狙い目だろう。
(ライター 津田昌宏、写真 野町修平=APT、スタイリング 宇田川雄一)
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