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野村克也さん 一人の暮らし支える亡き妻の言葉 80歳を過ぎて妻に先立たれたら(上)

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2018/9/11

(写真:福知彰子)

 夫婦生活は45年。自分を中心に世界が回っているような人だから、周囲からは大変だと思われていたかもしれないけど、サッチーさんが家のことを全部やってくれたから、僕は野球に没頭できた。家計管理、子育て、人付き合いなど、暮らしに関わることは全てサッチーさん任せ。いかに恵まれていたかが分かりました。

──今は息子の克則さん夫妻が近くにいて、生活関係のことを手伝ってくれているとか。

 「スープの冷めない距離」というのかな、僕の自宅の敷地内に克則が家を建てたおかげで、一人残されてからの孤独や不便がだいぶ軽減されているように思います。

 実は、克則がうちの敷地内に家を建てたいと言ってきた時、僕は反対したの。広々とした庭が好きだったのに、そこに家が建ってしまったらせっかくの景色が台無しだと。でもサッチーさんは二つ返事で「いいわよ」と。サッチーさんがそういえば従うしかない。内心は嫌だなと思っていたけれど、今は同じ敷地にいてくれてよかったって心から思う。結果的にはサッチーさんが大正解だったね。

──夫婦で意見が異なるといつも野村さんが引いていた?

 そうよ、反対したって言うこと聞く人じゃないし。サッチーさんには怖い人も、怖いものも何もない。いつも自分の生きたいように生きていた。あの人の夫が務まるのは僕だけだと思うよ。

──運命的な出会いは、どんなふうに訪れたのでしょうか?

 南海ホークス(現・福岡ソフトバンクホークス)時代、遠征で東京に来るたびによく行ってた中華料理店で偶然一緒に居合わせたの。サッチーさんは僕のことを全然知らなかったんだけど、店のママに紹介されてプロ野球選手だと知ると、その場で野球少年だった息子の団に電話をかけた。

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