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スマホでも確定申告OKに マイナンバーカードを利用

2018/9/4

来年から「e―Tax」の事前準備が簡単になる(品川税務署で確定申告する高橋英樹夫妻、2018年2月16日午前)

毎年、所得税の確定申告で税務署に出向いていますが、来年から電子申告が簡単になると聞きました。詳しく教えてください。

◇  ◇  ◇

所得税の確定申告期間は毎年2月中旬~3月中旬で、この時期は税務署が非常に混み合う。電子申告・納税システム「e―Tax」を使えば、自宅から24時間いつでも手続きができるが、事前準備が少々面倒なこともあり、所得税の電子申告の利用率は17年度で約55%と伸び悩んでいる。

来年の確定申告(18年分)からは、この事前準備が簡素化される。

現行では電子申告をするには、あらかじめ「e―Tax開始届出書」を税務署に提出し、IDとパスワードを入手したうえで、申告書の作成・送信をする必要がある。しかし申告作業は基本的に年に1度なので、ID・パスワードを紛失する人も多いという。

19年からは、マイナンバーカードとICカード読み取り機を持っていれば、IDとパスワードを入手しなくても電子申告できるようになる。従来通り、源泉徴収票や医療費の領収書などは5年間、手元に保管しておくだけでいい。「利便性がかなり向上する」と八木橋泰仁税理士は評価する。

マイナンバーカードかICカード読み取り機のどちらかがない人は、従来通りID、パスワードを取得するのが基本だ。その際、税務署で職員と対面して本人確認をした上で、ID・パスワードを入手する必要がある。

また、19年からは国税庁のホームページの「確定申告書等作成コーナー」にスマホの専用画面ができる。

マイナンバーカードとICカード読み取り機があれば、自宅のパソコンとスマホを近距離無線通信「ブルートゥース」で接続し、スマホから確定申告ができるようになる。ただし、給与所得者で年末調整が済んでおり、所得控除の項目が医療費控除、寄付金控除だけの一部申告者が対象だ。

国税庁は来年以降も電子申告の利便性を一段と高める方針。ICカード読み取り機を使わず、スマホにマイナンバーカードをかざすだけで本人確認をして、申告できるシステムの本格導入を検討している。早ければ20年(19年分)からの実施を目指す。

国税庁が電子申告の利便性向上に力を入れるのは、マイナンバーカードの普及拡大を狙うからだ。16年に交付が始まった同カードの普及率は、足元でわずか1割強にとどまる。ただ、国税庁は紙による確定申告についても、現段階で廃止する考えはないという。

確定申告は、納税を会社に頼りがちな会社員にとって税金への理解を深める好機だ。利便性を比較した上で、自分に合った方法で申告しよう。

[日本経済新聞朝刊2018年9月1日付]

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