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リーマン危機から10年 個人投資家が得た2つの教訓

2018/9/9

リーマン危機後、様々な資産価格はほぼ5~6年で回復した

2008年9月のリーマン・ショックから丸10年。「100年に1度の衝撃」にめげずに投資を続けた人は、大きな果実を得た。「投資の継続」「急落に耐える資産配分」という2つの教訓は、次に訪れる金融危機にも応用できそうだ。

「評価損で一時資産が半値以下になりうろたえた」。02年から積み立てで国際分散投資してきた会社員でブロガーの水瀬ケンイチ氏は、リーマン危機をこう振り返る。「しかし世界経済は長期では成長を続けると信じて積み立てを続けた」。昨年末時点で累計投資額約4000万円は、6400万円に増えている。

■資産価格は5~6年で回復

リーマン後の様々な資産価格は、ほぼ5~6年で回復した。資産を増やせたのは投資を続けた人だ(グラフA)。今後も危機は繰り返しやってくるが、リーマン級の危機が来ても投資を継続することが大事だとわかる。

下げる前に売り最安値で買い戻せばベストだが、大和総研元取締役で現在ファイナンシャルプランナーの須原国男氏は「相場を当て続けるのはプロでも困難」と話す。不安になり投資をやめると、上昇の果実を得られない可能性も高まる。

実際、先進国株価に連動する指数「MSCIワールド(配当込み)」は1980年1月から今年7月までに42倍(ドルベース)になった。この462カ月のうち上昇率上位10の月に投資していなければ、上昇率は16倍に急減する。上位10のうち3つの月は多くの人が「危機はまだ続く」と思っていたリーマン後3年半の底値圏の時期だった。

■株式の下落率大きく

「予測が困難だから、長期運用の国や企業の年金は世界中の株や債券に適切な比率に配分したうえで、局面ごとに配分比率をむやみに変えずに投資を継続する」(須原氏)。相場を当てる自信のない「普通の人」にも大切な姿勢だ。

そのためには自分の耐性に合った資産配分がカギを握る。評価損が自分の許容範囲を超えると投資を継続できなくなるからだ。

多くの機関投資家が現時点で見込む長期の期待リターンは国内外の株式で年率5~6%、海外債券で1~3%、国内債券で0~1%程度。国内外の株式の配分比率が高いほど長期で大きなリターンを見込めるが、値動きも大きくなる。

過去に米国が不況期に入った後の各資産の下落率をみると、局面で違うが株式の下げが大きいのが目立つ(表B)。

京都の上場企業で役員をしていて07年に退職したA氏(73)は「退職金で新興国投信を大量に買ったが、金融危機で6割下落。怖くなって売ってしまい、老後設計が崩れた」と悔やむ。

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