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メンタルヘルス対策を手掛けるメンタルグロウの代表取締役を務める相場聖氏

メンタルヘルス対策を手掛けるメンタルグロウの代表取締役を務める相場聖氏

「メンタルヘルスが原因で働けなくなってしまう人の増加は、本人のみならず、もはや国家的損失だ」。メンタルトレーナーとして企業のストレスチェック調査などにも携わった経験から「ビジネスパーソンのための折れないメンタルのつくり方」(ディスカヴァー・トゥエンティワン)を書いた相場聖氏はこう説く。「ストレスに悩む働き手はここ10年でかなり増えてきたという実感がある」と言う相場氏に、仕事にまつわるストレスがたまりやすくなる原因と心の健康を保つ方法を聞いた。

メンタル不調、社会にも「損失」

ストレスを抱える働き手が増え、2015年には国が大企業にストレスチェックを義務づける制度もスタートした。だが、相場氏は「ストレスに悩む人の増加に比例して、企業のメンタルケアが成熟してきたとはいえない」とみる。多くの場合、医師の診断が下り、本人が申告して初めて支援が動き出すため、「後追いの対症療法的な対応」(相場氏)になりがちでもある。

長い休職の末に仕事を辞めてしまう。復帰しても実力をフルに発揮できるような環境を与えられない――。こんなケースも珍しくなく、本人はもちろん、勤め先や社会にとっても損失になりかねない。相場氏は「メンタル面でのケアは企業のパフォーマンスを高めるうえでも重要な取り組みになりつつある。もっと早く、病気になる前にセルフコントロールに取り組むなど予防的に動く方が、本人にも勤め先にもメリットが大きい」と訴える。

では、なぜ働き手はストレスをため込んでしまうのか。相場氏によると、大きな原因のひとつが、ストレスの悩みを周囲に打ち明けにくい日本の会社の環境だ。上司や同僚に相談すると、弱みになったり、評価が下がったりする不安が拭いきれない。原因が社内の人間関係の場合もあるし、そもそも不調を打ち明けるのを恥と感じ、はけ口を見つけられない人もいる。

職場でのストレス発生源、圧倒的に上司

具体的な「原因」は大きく分けて2つある。ひとつが人間関係で、もうひとつが業務目標やノルマなどのプレッシャーだ。このうち人間関係の原因は「圧倒的に上司」(相場氏)といい、向き合い方に悩む部下が多いようだ。

では、どうすればいいのか。相場氏は「上司に気に入られようと考える必要も、自分から進んで好きになろうとする必要もない。そこそこ仲良くしていれば十分と考えるほうがいい」と話す。性格的に合わない人がいるのは当たり前だし、無理に相手に合わせようとすれば、その努力がストレスを生みかねないからだ。

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