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著者に聞く 仕事の風景

仕事ストレスなぜたまる? 折れないための自分ケアを 「ビジネスパーソンのための折れないメンタルのつくり方」 相場聖氏

2018/9/5

相場氏は、昨今よく聞く「ワークライフバランス」という言葉にも疑問を感じているという。仕事とプライベートを切り離し、両者のバランスを保とうとする態度は「仕事は我慢する時間で、プライベートは気持ちを解放する時間と、意識を固定してしまいかねない」と説く。「仕事=苦痛、我慢、滅私奉公」とイメージしてしまうと、ますます職場で気持ちがふさぎがちになりそう。「ワークライフシナジー(相乗効果)」という言葉を使い、仕事とプライベートが互いに刺激し合うような結び付きを提案している。

大企業に比べ、新興のスタートアップ企業にはメンタル不調を訴える人が少なく見えると、相場氏は言う。原因はいくつもあり得るだろうが、「仕事を主体的に面白がる」環境にあるのが大きいという分析だ。寝袋を持ち込んで働くようなハードワークは心身の健康という面で決してほめられないが、「自分と仕事の結び付きを能動的、ポジティブにとらえる『ワークエンゲージメント』という観点から言えば、本人の納得感が高いと映る」(相場氏)。

■働きがい実感、小さな目標達成から

大企業に勤めていても、自分なりの達成感や充実感を高める方法はある。たとえば、目標を細分化して「きょうのゴール」「今週の成果」を決める。そして、小さな「成功」を積み重ねていくのだ。成功体験が続けば、成長を実感できる。「自己肯定感を高めていけば、上司や周囲の評価が気になりにくくなる。他人の声で、過剰に気持ちを揺さぶられるリスクも減る」と、相場氏は「自分でつくるスモールサクセス」を促す。

もし、自分が何らかの分野で突出した才能を持つような「とがった」キャラクターであるなら、それも隠すべきではないという。自分らしい働きぶりは「やらされ感」を薄めてくれるので、ストレスをやわらげる効果も見込める。

メンタル不調を引き起こさない気配りは「リーダーの資質としても重要になっている」と、相場氏は言う。部下に不調者が続出すれば、チームのパフォーマンスが下がるだけではなく、管理責任も問われかねない。プレッシャーの与えすぎや、不人情な振る舞いが目に余れば、人はついてこない。自分のメンタルコンディションを平静に保ち、部下の心理にも目配りできるリーダーが求められている。「仕事のパフォーマンスが優れている人ほど、心のコントロールが上手」という相場氏の言葉は、それぞれの「働き方改革」にも役立ちそうだ。

相場聖
ヒューマンエナジー、メンタルグロウ代表取締役。専門はメンタルヘルスやストレスコントロール。スポーツコーチ、メンタルトレーナーを経て、企業内心理カウンセラーとして活動。2006年にメンタルヘルス対策や組織活性化に関するコンサルティング、教育研修を手掛けるヒューマンエナジーを設立。08年、メンタル事業に特化したメンタルグロウ(東京・港)を立ち上げた。ストレスチェックテストの結果に基づく組織分析や、組織の中での働きがい向上などにも力を入れている。

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