出世ナビ

学校のリーダー

女子大御三家に負けない 実践女子大を早大流で改革 実践女子学園の井原徹理事長に聞く

2018/9/2

2014年に完成した実践女子大学の渋谷キャンパス(東京都渋谷区)

井原氏が実践に入って11年、理事長になってから9年。この間、数々の改革を進めてきた。その代表例が、学園内の男女共同参画推進だ。16年から職員を対象に、子育てや介護を支援するフレキシブルワーク制度を導入。1日当たり1~3時間の短縮業務や、週休3~4日を選択できるようにした。現在、男女合わせて職員の1割が制度を活用するようになった。女子校を運営する学園自身が、ダイバーシティに取り組む姿勢を示すことが大切だと判断した。

■創設者、下田歌子の精神を再び

学園創設者の下田歌子は、女性の社会的地位がまだ低かった明治時代に男女共同参画を唱え、女性教育に力を注いだ先駆者だ。「女性が社会を変える」という信念が建学の精神だった。その特徴もいつしか薄れ、「品格高雅にして自立自営しうる女性」を育てるという教育理念も忘れかけているように見えたという。そこで井原氏は、理事長として学園の改革を進めるに当たって創設者の精神を根底に据えることにした。

吹き抜けがある渋谷キャンパスは明るい雰囲気

11年にプロジェクトとして下田歌子研究所の活動を始め、14年に正式な研究所に昇格、さらに18年には内容を拡充し「下田歌子記念女性総合研究所」と改組した。

併せて教育や研究機能も強化した。教育面では、専攻のほか、副専攻を選べるようにし、学びの欲求に応えられるようにした。研究環境整備に向けては、研究統合組織を設け、科学研究費助成事業を獲得しやすくする体制を整えた。井原氏は、建学の精神を大切にすることで「実践らしさが気に入って受験する学生層を増やしたい」と話す。背景には「偏差値だけに依存しない学校選びを提案したい」という思いがある。

■「都心回帰」に手腕

早大財務部長としての経験は、14年の渋谷キャンパス(東京・渋谷)の大学校舎新設にも生きた。渋谷にあった中高の敷地の一部を新キャンパスとし、郊外の日野キャンパス(東京都日野市)から文学部、人間社会学部、短大を移転。2キャンパス制にする計画を立てたが、渋谷の校舎新設に87億円、日野の整備に36億円が必要と判明。年間予算80億円の大学には重過ぎる負担と思われたが、28億円の借り入れでしのぐ資金計画ができ、教職員の理解を得て賞与を一部削減するなどで実現にこぎつけたという。

出世ナビ 新着記事

ALL CHANNEL