リラ急落で外債に不安 投資は長期分散で(窪田真之)楽天証券経済研究所所長兼チーフ・ストラテジスト

金額にすると外国債券だけで24兆7060億円も保有していますが、GPIFに限らず、年金は一般的に特定の国に偏らず、幅広い国に分散投資しています。ちなみにGPIFは外債運用のベンチマークとして、FTSE世界国債インデックス(除く日本)を使用しています。ベンチマークとは運用成績を評価する物差しです。

世界の債券に分散する投信

ある投資家が仮に1992年末に同インデックス(円ベース)に連動するファンドに投資したとしたらどうでしょう。チャートを見てわかるように、2018年8月29日時点で資産が4.4倍(運用コストを除く)になったことになります。海外には日本よりも金利の高い国がたくさんあります。高金利国の国債に幅広く分散して投資すれば、円高が進んでもメリットは大きいと考えられます。

GPIFでは18年6月末時点で、外債運用部分の今後の期待リターンは年率3.8%(経済中位・賃金上昇率2.3%のシナリオ)としています。

外債の価格は山あり谷あり、乱高下を繰り返しながら、上昇していることがわかります。リーマン・ショックのあった08年には、急激な円高が進んだために円ベースで半値以下に落ち込んでいます。

リスク管理が重要です。リスク管理のツボは「長期投資」「分散投資」です。外債投資を考えている個人投資家の方々は世界各国の債券に分散投資する投信をまず選びましょう。そして、長期にわたって積み立て投資していくことが、資産形成に有用だと思います。

プロのポートフォリオは運用に精通したプロが独自の視点で個人投資家に語りかけるコラムで、原則火曜日掲載です。
窪田真之
楽天証券経済研究所所長兼チーフ・ストラテジスト。1961年生まれ。84年慶応義塾大学経済学部卒業後、住友銀行(当時)入行。99年大和住銀投信投資顧問日本株シニア・ファンドマネジャー。2014年楽天証券経済研究所チーフ・ストラテジスト、15年所長。大和住銀では日本株運用歴25年のファンドマネジャーとして活躍した。
注目記事
今こそ始める学び特集