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リラ急落で外債に不安 投資は長期分散で(窪田真之) 楽天証券経済研究所所長兼チーフ・ストラテジスト

2018/9/4

写真はイメージ=123RF
「高い利回りに引かれて外国債券に投資するとやけどすることがある」

 トルコリラの急落を受け、日本で販売されているトルコの債券を組み入れた投資信託が大幅に値下がりしました。売るべきか、我慢して持つべきか、わからなくて困っている方が多いようです。

 高い利回りに引かれて外国債券に投資するとやけどすることがあります。高金利国の国債は表面上の利回りだけ見ると、とても魅力的に映ります。トルコの10年国債利回りは20%を超えます。ただし、利回りが高い国ほど、信用が低いことに注意が必要です。世界経済が順調なときは問題になりませんが、何らかの不安があるときには、高金利国の通貨は大きく下落します。今が、まさにそのタイミングでしょう。

金融緩和が終わりを告げる不安

 トルコリラ急落の直接のきっかけはトランプ米大統領とエルドアン・トルコ大統領の対立ですが、根本には米利上げによって世界的な金融緩和が終わりを告げつつあるという不安が存在します。

 2015年にはブラジルレアルの急落がありました。原油、鉄鉱石、石炭など天然資源の価格が急落したため、世界経済が資源安ショックに見舞われたのです。ブラジルレアルも高金利通貨としてトルコリラなどと並んで人気があるので、関連投信に大きな影響が出ました。

 今回はトルコの不安に焦点が当たっていますが、逆にブラジルの不安はさほど高まっていません。ブラジルは15年の危機の後、財政改革に動き、さらに資源価格の回復により経済も改善してきています。ブラジル国債もトルコ国債につれ安していますが、ブラジルのファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)の回復を見ると、どんどん売られ続ける理由はないと考えられます。

 一方で、トルコはどうでしょう。米国との対決色を強め、国際社会から孤立しつつある現状を考えると、投資リスクは引き続き高いといわざるを得ません。

■高金利国への集中投資は危険

 ただし、これからも米利上げが続くなら高金利国の通貨売りは続くでしょう。米利上げに打ち止め感が出れば反発余地が出るでしょうが、いずれにしても高金利国への集中投資は危険です。私は過去25年間、ファンドマネジャーとして年金・投信などを運用してきた経験から、幅広く分散投資することが重要と考えます。

 年金は国内株式、国内債券、外国株式、外国債券といったように、複数の資産に分散投資しています。ご参考までに世界最大158兆円超の運用資産を保有する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)を紹介しましょう。資産配分は18年6月末時点で国内株式25.55%、国内債券27.14%、外国株式25.32%、外国債券15.34%――などとなっています。

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