楽ちんでもルーズに見えない 休日スニーカーコーデ
宮田理江のファッション戦略論
スニーカーを履くと、気分は一気に休日モードに。楽ちんなのが魅力ですが、ルーズに見えない取り入れ方をしたいものですよね。「きれいめ」コーデや「アスレジャー」との合わせ方を、ファッション・ジャーナリストの宮田理江さんが解説します。
休日気分を足元から実感できるスニーカーは気持ちの切り替えスイッチになってくれる。軽やかなコーディネートのキーピースに据えて、自分からポジティブムードを盛り上げていきたい。履き心地楽ちんなのに、ルーズにもラフにも見えにくい取り入れ方をおさらいしておこう。
きれいめコーデを軽やかにはずす
スポーティーな印象が強いスニーカーは、装い全体の雰囲気を和らげてくれる。上品にまとめた「きれいめ」のコーデに投入すれば、堅さを遠ざける「はずし」の効果が生まれる。涼やかなアイスブルーのタイトスカートに、白のサマーニットを引き合わせ、クールな着映えに仕上げた。さらっとライトアウターを羽織って落ち着きも漂わせている。そこにスニーカーを添えて、気負いをオフ。布製のクラッチバッグも抜け感を引き出している。
アスレジャー姿を伸びやかに彩る
健やかムードのスタイリング「アスレジャー」は勢いが続く。ストリート気分を象徴するスニーカーはアスレジャーの目印的存在。ただ、スニーカーを使う場合、残りのウエアをスポーティーに寄せ過ぎると、本当の運動着姿に見えかねないから、少し大人っぽさやエレガンスを意識したい。ショート丈トップスには、白のライトジャケットを重ね、キリッと感を醸し出している。ボトムスはジョガーパンツで王道のアスレチックテイストを押し出して。スニーカーの白がジャケットと響き合って、クリーンなムードを寄り添わせている。
ミニスカートを若々しく勢いづかせる
近ごろはミニが少しずつ復活していて、コーデのレパートリーを増やしておきたくなる。ハイヒール系のエレガントな靴で合わせると、女っぽさが出過ぎるから、あえてスニーカーをパートナーに迎え、ボーイズ感と若々しさを加えて。スニーカーにはいろいろな種類があるが、あえて古典的なタイプを選ぶと、レトロ感を呼び込める。黒と白のコンビネーションはスカートの色ともマッチ。モノトーンの着こなしにバッグの差し色が利いている。
テイストミックスを狙いたい
手持ちのスニーカーは数に限りがあるから、スニーカーを後から添えるのではなく、先にスニーカーを決めて、服のコーデを組み立てていこう。色やムードの調整が楽になる。狙いたい落としどころは、きれいめやエレガンスとのテイストミックス。スポーティーな見え具合のスニーカーを選んだら、服はシックに。逆に、落ち着いた雰囲気のスニーカーなら、服はアスレチック気分で整えて。スニーカー通勤を国が提案している今だから、オフィスルックに組み込むアレンジも試してみては。
ファッションジャーナリスト、ファッションディレクター。多彩なメディアでランウェイリポートからトレンド情報、スタイリング指南などを発信。バイヤー、プレスなど業界経験を生かした、「買う側・着る側の気持ち」に目配りした解説が好評。自らのテレビ通版ブランドもプロデュース。セミナーやイベント出演も多い。 著書に「おしゃれの近道」「もっとおしゃれの近道」(ともに、学研パブリッシング)がある。
[nikkei WOMAN Online 2018年8月11日付記事を再構成]
ワークスタイルや暮らし・家計管理に役立つノウハウなどをまとめています。
※ NIKKEI STYLE は2023年にリニューアルしました。これまでに公開したコンテンツのほとんどは日経電子版などで引き続きご覧いただけます。