日経エンタテインメント!

7月期は関西テレビ制作の『健康で文化的な最低限度の生活』に出演します。僕はカンテレさんとのお付き合いが長くて、知っているスタッフさんも多いし、楽しみですね。カンテレさん的には『おっ、田中圭キャスティングしておいて良かった』っていう雰囲気にはなってます、確実に(笑)」

伸びしろがあると思えた

キャリアは18年。ターニングポイントを感じた瞬間はあったか。

「俳優としての面白さを最初に感じたのは、『WATER BOYS』だと思いますが、僕はそう聞かれたときに『全部です』と答えているんです。どの現場でも、何かしら得るものがあるので。

(写真:アライテツヤ)

ただ、今後自分の環境が少し変わるとするなら、『おっさんずラブ』が転機になるのかなとは思います。僕自身、芝居で新たな発見をさせてもらったところもあるし、背中を押してくれた作品でもあるので。改めて明確に『僕にはまだ伸びしろがある』と思えたというか。まだまだ全然いけるって、自分に対してワクワクした作品でもありますし、18年たってようやく今、スタートラインに立ったのかなという感覚もあるんです。

舞台『芸人交換日記』(11年)などでお世話になった鈴木おさむさんなんかは、昔から僕のことを評価してくれていましたが、中には一緒にやりたいと望んでくれても、起用の決め手としては弱かったので、実現しないこともあったんです。今の流れで『これで圭と組みやすくなった』って思ってもらえたらうれしいですけどね。

たぶん、自分の人生を変えたのって、人との出会いだろうなと。僕は事務所(トライストーン・エンタテイメント)に15歳で入って、“永遠の末っ子”という感じで、社長と(小栗)旬君に怒られながら俳優業を続けてきましたが、そういう環境も大きいと思います。共演者で言えば、山田孝之君と出会って、芝居にかける鬼気迫るものを教わったし、岡田准一君からも学ぶものが大きかったし、米倉涼子さんには、トップ女優になってからも挑戦し続けるカッコ良さを見せていただきました。僕は意志が弱いというか、自分に甘いので、周りにいる方によって気付かされることが多々あるんです」

30代になってからは焦りがなくなり、誰かと比較して劣等感を持つことがなくなったという。

「ずっと途切れることなく作品に出続けていて、お芝居に関しては、自分にしかできないことが絶対にあると思うようにはなりました。

僕はお芝居が好きなので、やる気のある志の高い現場に入れているときの充実感は、ほかの何物にも代えがたいです。主演も光栄ですが、刺激的で楽しい芝居ができるなら正直、役の大きさとか『番手』って何でもいいってタイプで。だから、その現場に入るために売れることが必要なら、売れる努力をしたいし。理想論だとは思いますが。

周りの俳優を見ていても、素直に尊敬してるけど、憧れとかはないんですよ。僕はセルフプロデュースができないので、『進む道、間違ってるかな』とか悩むときもありますが、『しょうがないよね、こういう人間だもん』って。とりあえず1回、行けるところまで行ってみようかなと思っています」

(ライター 内藤悦子)

[日経エンタテインメント! 2018年8月号の記事を再構成]