自転車がもっと楽しく サイクルコンピューター4選
このところロードバイク乗りの間で必須アイテムとなりつつあるのが、速度や走行距離などをリアルタイムに表示するサイクルコンピューターだ。全地球測位システム(GPS)が付いたものなら、走行ログ(走行軌跡)の記録やナビゲーション機能も備える。GPS搭載スマートウオッチなどの大手でサイクルコンピューターも手がけるガーミンジャパンによれば、2012年から17年までの5年間で、サイクルコンピューター関連製品の売り上げはおよそ2倍に伸びたという(一部別の自転車関連製品も含む)。今回は初心者向けにGPS機能付き4機種を選んで紹介する。
モチベーションがアップする
近年、サイクルコンピューターは高機能化が進んでいる。付属あるいは別売のセンサーを使って、速度や走行距離に加えて、ケイデンス(1分間のペダルの回転数)や心拍数を計測し表示できる製品が多い。加えて、ラップタイム、気温、標高などのデータも表示するので、機能が多すぎて使いこなせないほどだ。
ではサイクルコンピューターの魅力とは一体どんな点にあるのだろうか? ひとつはモチベーションの向上である。計測した走行ログは専用のアプリで細かく解析できる。また、ランニングや自転車での走行データを記録するスマートフォン(スマホ)用アプリ「Strava(ストラバ)」などと同期すれば、ユーザー同士でデータを共有することが可能だ。Stravaには同じ区間を走ったユーザーを走行タイムでランキングする機能があるため、ひとりで走っていても高いモチベーションが保てる。自分の能力が数値化され、ゲーム感覚でライドを楽しめるようになるのだ。
ツーリング時における快適性の向上も大きなメリットだ。勾配などがリアルタイムで表示されるので適切なペースをつかみやすいし、ルートナビゲーション機能を備えていることも多い。エントリーモデルは地図が表示されず、矢印でルートを案内する簡易的なものが多いがスマホと併用すれば十分に役立つ。
GPS機能付きサイクルコンピューターのエントリーモデルを選ぶ際にポイントとなるのは下記の5点だ。
(2)電動コンポーネント(スイッチにより電動でギアをシフトチェンジする機構)やパワー(足でこぐ力)センサーとの連携
(3)ディスプレーのサイズ。カラーかモノクロか
(4)バッテリーの持続時間
(5)測位精度の高さ
トレーニングをメインに使いたいなら(2)と(5)、ツーリングメインであれば(1)と(4)を重視して選ぶのがよいだろう。
トレーニングからツーリングまで対応する軽量モデル
18年6月に登場した注目モデル。それなりの機能を搭載したモデルは高価なのがネックだった。筆者も同社の中級モデル「エッジ520J」を使用しているが、本体とセンサーで約4万円もする。エッジ130はそんな上位機と近い機能を備えつつ、コンパクトで軽量なボディーと手ごろな価格を実現したのが大きな特徴だ。
直射日光下や夜間でも視認性の高いモノクロディスプレーを採用。スピードやケイデンス、心拍、勾配、パワーなど、最大8項目を同時に表示できる(ケイデンスとパワーの計測は別売りのセンサーが必要)。またスマホと連携すると、ライド終了後に専用アプリ「Garmin Connect」へ自動アップロードを行うほか、電話やSMSの着信を画面で確認できるようになる。専用アプリからコースを転送すれば交差点や曲がり角で進行方向を示してくれるコースナビ機能が使える。
本体サイズ:41mm(横) x 63mm(縦) x 16mm(厚さ)
重量:33 グラム
ディスプレー:27×36mm
バッテリー持続時間:最長13 時間
バッテリーの持続時間が長くロングライドでも安心
GPS内蔵サイクルコンピューターとしては最も安い価格帯ながら、トレーニング用途にも対応できる充実した機能を搭載したモデル。速度や距離、心拍、標高、勾配、気温といった基本的なデータはもちろん、パワーセンサーや電動コンポーネントからの情報も表示が可能。
バイクを5台まで登録して管理できるので、車両を複数台所有している人には使いやすい。バッテリーの持続時間が長めなので、ロングライド派にもおすすめ。
本体サイズ:42.9mm (横)×67.8mm(縦)×27.5mm(厚さ)
重量:76 グラム
ディスプレー:31.7mm(横)×40.1mm(縦)
バッテリー持続時間:最長24 時間
優れたコストパフォーマンスと高い測位精度。トレーニング初心者に
リーズナブルかつ高機能なGPS内蔵サイクルコンピューターを作るブランドとして急速に知名度を上げているのが台湾のブライトン。ライダー410はミドルグレードに相当するモデルだが、ケイデンスセンサーとセットでも1万7000円以下というなかなかのお値打ち価格となっている。
ルートナビ機能や電動コンポーネントには対応していないが、パワーセンサーに対応するなど、近年のサイクルコンピューターに求められる機能はほぼ網羅。また、競合モデルよりも多い5種類の衛星測位システムに対応しているため測位精度が高く、速度計測用のセンサーを用いずとも正確に速度計測が行える。液晶ディスプレーのサイズが大きく視認性に優れるほか、バッテリー持続時間が長いのも強みだ。
本体サイズ:53.7mm (横)×83.9mm(縦)×18.2mm(厚さ)
重量:71 グラム
ディスプレー:2.3インチ
バッテリー持続時間:最長35時間
視認性の高いカラー液晶を採用。大容量メモリー搭載でツーリング派に
エクスプローバは台湾のパソコンメーカー「エイサー」傘下の高機能サイクルコンピューターメーカー。この価格帯では珍しくカラーディスプレーを採用するほか、バッテリー持続時間が長いのが魅力だ。
また64メガバイトのメモリーを搭載しているため競合モデルをしのぐ最大700時間分の走行データを保存することができる。速度センサーや心拍数モニター、ケイデンスセンサー、パワーセンサーなどに対応。全80以上のデータを記録できる。
本体サイズ:54mm (横)×85mm(縦)×22mm (厚さ)
重量:80グラム
ディスプレー:2.2インチ
バッテリー持続時間:最長27時間
(ライター 佐藤旅宇)
ワークスタイルや暮らし・家計管理に役立つノウハウなどをまとめています。
※ NIKKEI STYLE は2023年にリニューアルしました。これまでに公開したコンテンツのほとんどは日経電子版などで引き続きご覧いただけます。
関連企業・業界