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酒は百薬の長ではない それでも飲む場合の目安量は? 飲むべきか、飲まざるべきか、それが問題(下)

日経Gooday

2018/9/12

写真はイメージ=(c)PaylessImages-123RF
日経Gooday(グッデイ)

お酒を飲む人にとって他人事ではないけれども実態はよく分からない「アルコール依存症」。世の酒好きのなかには、「酒は百薬の長」という言葉が示す、飲酒の健康効果を信じたい人も多い。でもそれは医学的に正しいのか?第1回「アルコール依存症の人は、自分が依存症だと認めない」、第2回「アルコール依存症の断酒 人間関係のリセットが必須」に続いて、「元アル中」コラムニスト・小田嶋隆さん、酒ジャーナリスト・葉石かおりさん、肝臓専門医の浅部伸一さんが語り合います。

■依存症のせいで、立ち食いそば屋を出禁になった

葉石かおり(以下、葉石):2013年の厚生労働省の調査によると、アルコール依存者数は109万人で、その下には多量飲酒者、つまりアルコール依存のハイリスク群(予備群)が980万人もいる、と推計されています。

2013年の厚生労働省研究班の調査による推計。アルコール依存症者数は「ICD-10」の診断基準によるもの。ハイリスク群の多量飲酒者は、飲酒する日には純アルコール換算で60g以上飲酒している人

浅部伸一(以下、浅部):小田嶋さんは、かつてこのピラミッドのトップにいたことがあるわけですが…。私も実は、自分が普段飲んでいる量から考えると、ハイリスク群ではあるので、頂点にのぼりつめないためにはどうすればいいのか、ということには興味があります。

とはいえ、好き勝手に飲みまくってもアルコール依存にならないで済むような、特効薬のようなものは存在しません。葉石さんの本『酒好き医師が教える最高の飲み方』にもありますが、基本的には飲酒量を抑えるしかないんですよね。

小田嶋隆 1956年生まれ。早稲田大学卒業後、食品メーカーに入社。1年ほどで退社後、小学校事務員見習い、ラジオ局ADなどを経てテクニカルライターとなり、現在はひきこもり系コラムニストとして活躍中。近著は『上を向いてアルコール』

葉石:結局は、そこに行き着くんですよね。

浅部:量を抑えるためには、前後不覚にならないよう、ゆっくり酔うようにする、また飲む時間を制限してダラダラ飲まない、といったことに気をつけるしかないと思います。

葉石:大酒飲みの人って、飲み始めるとあまり食べなくなりますよね。私は食事とお酒を一緒に楽しみたいタイプなので、それが不思議なんですけど…。

小田嶋隆(以下、小田嶋):ちゃんと理由があります。依存症になるような人がなぜ食べないかというと、食べ物が入ると酒が入る量が減っちゃうから。お腹の容量を空けておきたいんです。胃にものが入っていると、スムーズに酔えないんですよね。

浅部:血中アルコール濃度をできるだけ速く上げたい、と(笑)。本当は食べ物だけでなく、水も飲んだほうがいいんですよ。それはアルコールを飲むことによる脱水を防ぐのと、おなかを膨らませて飲酒量を減らすという効果があります。

小田嶋:ああ、依存症者にとっては、ゆっくり飲むことも、途中で水を飲むことも、何なら会話することも、全部酒をまずくする要因なんですよね。

(一同笑い)

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