収入減や死別で生活一変 共働き家計3つのリスク住宅ローン・保険・年金…

筧幸子(かけい・さちこ、48=上) 筧良男(かけい・よしお、52=中)  筧恵(かけい・めぐみ、25) 

良男 夫婦の一方が亡くなると、残されたほうに年金が支給されるんだよね?

幸子 遺族年金ね。遺族の暮らしを支えるための国の制度で、年金加入者であれば年齢にかかわらず給付の対象になりうるわ。万一の保障という意味では死亡保険に似ているけれども、あてにし過ぎるのもよくないのよ。

 どうして?

幸子 受け取れる年金総額は夫が亡くなった場合に比べて妻が亡くなったときのほうが少なくなる仕組みだからよ。「中高齢寡婦加算」といって、40歳以上の妻が夫を亡くした場合、一定要件を満たせば年金が上乗せされるわ。しかし、名前に「寡婦」とつくように夫が妻を亡くした場合は加算はないのよ。

良男 遺族年金はどのくらい受け取れるの?

幸子 いくら給付されるのか、社会保険労務士の持立美智子さんに試算してもらったわ。同い年の夫婦がともに会社員として同じ給与水準で働き、どちらかが35歳時に亡くなるという想定よ。子供が2人いるケースでみると、夫が亡くなり妻が65歳までに受け取れる年金は約4000万円。一方、妻が亡くなって夫が受け取れるのは2600万円。大きな差があるわ。

 年金制度は妻には手厚く、夫には冷たくできているのかしらね……。

幸子 FPの堀内玲子さんが「夫婦どちらかが働くより共働きのほうが将来受け取る年金の面でも有利」と話すように、収入が多いほうが家計にはプラスであることは間違いないわ。ただ、共働きだからこその「落とし穴」があることも確かなの。そのリスクに備えることが欠かせないわね。

■年収の25%を将来資金に
ファイナンシャルプランナー 白浜仁子さん

共働き夫婦は将来の減収などのリスクに備えるため、互いに蓄えを増やす姿勢が大切です。子供がいない時期はできれば、年収の25%相当を財形貯蓄や非課税制度の投資などで積み立てていきましょう。若いうちは働いて稼ぐ意欲が強くても、子供が生まれたり職場での立場が変わったりすると、仕事を辞めたくなることもあります。収入が減ることを想定し、できるときに多く貯蓄する意識が欠かせません。
夫婦は互いに収入や支出の状況を共有するよう心がけましょう。そうしないと相手が浪費していても気付きにくく貯蓄の妨げになります。支出が高水準だと急に節約しようにも難しくなります。教育費や住居費など夫婦で必要となるお金は給与振込口座から切り離し、別の専用口座を作って2人で管理するのが望ましいでしょう。
(聞き手は南毅)

[日本経済新聞夕刊2018年8月29日付]

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