地元素材に最新調理法を駆使 福岡のビストロ「ビストロ オオシマ」

日経新聞西部夕刊

大濠公園(福岡市中央区)からほど近い閑静な住宅街。ドラえもんの「どこでもドア」にも似たグレーの扉を開くと、どこか落ち着いた雰囲気を感じさせるダイニングが広がる。開業1周年。フランスの郷土料理を肩肘張らずに楽しめる、地域に根ざしたレストランだ。

イラスト・広野司

テーブルを彩るのは、糸島の契約農家で当日採れた新鮮な野菜や、長浜鮮魚市場で買い付けた鮮魚たち。「素材がいいから、僕の仕事はそれを引き出すだけ」。シェフの大嶋秀元さんはそう謙遜するが、素材一つ一つを、最新の技術で裏打ちした調理法で丁寧に仕上げている。

たとえば、野菜。「ヒートショック」と呼ぶ手法で下処理することで、繊細ながらも力強い味にしている。歯応えもシャキシャキと楽しい。メインの「糸島豚のロース」は「低温スチーミング法」という調理法でじっくりと蒸し上げる。しっとり、やわらかな食感が持ち味だ。

少し背伸びしたいときは「おまかせコース」(6000円、税込み)。「当日まで何が届くか分からない」という食材を使い、わさびを加えたり、リゾットをおかゆ風味にしたり……。和のテイストを交えながら、創作する。

「思った通りの料理も、思ってもみない料理も楽しんでほしい」と大嶋さん。再びどこでもドアを通るときには、きっと身も心も満たされているはずだ。

(三島大地)

〈びすとろ おおしま〉福岡市中央区鳥飼1の2の33 電話092・752・0170

九州 味めぐり」では食べ歩きが大好きな地元在住のライターや日経記者が見つけた九州・沖縄のとっておきの味を紹介します。
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