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異色の義母に涙 「ぎぼむす」が描く新たな親子像 家族ドラマに歴史あり!(1)

2018/8/31

原作は桜沢鈴の4コマ漫画。笑って泣けるエッセンスが凝縮されている

TBSの連続ドラマ「義母と娘のブルース」が平均二桁視聴率と好調だ。物語は、数年前に妻を亡くした良一(竹野内豊)の一人娘・みゆき(横溝菜帆)の前に、大企業の営業部長であり、みゆきの新しい義母になる亜希子(綾瀬はるか)が現れる。

再婚する2人の馴れそめもプロポーズもすっ飛ばして、いきなり義母と娘の出会いから始まるのが、同ドラマの特色である。家族ドラマだけど、色々と謎の部分も多い。それは物語が進むにつれ、徐々に明らかになる。

原作は桜沢鈴さんの4コマ漫画。笑って泣けるエッセンスが凝縮されており、原作と連ドラ、どちらも素晴らしい。

正直、家族ドラマは過去に様々なパターンがやり尽くされた感があったが、2009年という設定や、高校生に成長したみゆき(上白石萌歌)の回想ナレーションから始まる仕掛けに引き込まれ、その先(現代)を見たくなった。ストーリーテリングにたけた21世紀流の家族ドラマである。

故きを温ねて新しきを知る―。同ドラマをもっと面白くみるため、「家族ドラマ」の歴史をひもときたいと思う。

■テレビ前史に存在した家族ドラマ

意外に思われるかもしれないが、日本初のテレビドラマは、家族ドラマだった。それもテレビ局が開局するはるか前、戦前の話である。時に、太平洋戦争を翌年に控えた1940年4月。日本のテレビの父こと高柳健次郎博士(世界で初めてブラウン管に「イ」の文字を映し出した人)の提案で、NHKで日本初のテレビドラマの実験放送が行われることになった。東京・砧にある放送技術研究所のスタジオで撮影し(生放送である)、それを内幸町の東京放送会館や、上野の産業会館に設置された受像機に送るという。

高柳健次郎氏と世界初のブラウン管テレビ

ドラマのタイトルは「夕餉(ゆうげ)前」。脚本はラジオドラマ「ほがらか日記」などを手掛ける伊馬鵜平(のちの伊馬春部)が担当し、キャストには新協劇団の源泉、野々村潔、関志保子の3人が選ばれた。母・息子・娘の3人家族の一幕劇で、娘の縁談がまとまり、明日から嫁ぐことになった夕食前のひと時を描いたものである。

正味12分間の生放送はNGもなく、無事に終わったが、思わぬアクシデントが起きる。時の逓信大臣、田辺治通が放送会館に到着するのが遅れ、本番を観覧できなかったので再演してほしいという。だが、当時の照明は強烈に熱く、控室に引き揚げたばかりの出演者たちは汗だくで、髪は今にも焦げそうだった。とはいえ、放送行政のトップの命令には逆らえない。

結局、日本初のテレビドラマは、その日のうちに再放送が行われたのである。

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