独り勝ちの米経済 ドル・株さらに強く(武者陵司)武者リサーチ代表

その中で米国だけは、長期金利が上昇に転じ、十分な利ざやの下で銀行貸し出しが増加し、金融機関の収益体質は大きく強化されている。

株価はトランプ氏が大統領に当選して1年余りで40%上昇。市場の不安心理を示すVIX指数が急落して株安を招いた、2月の「VIXクラッシュ」で12%下落したものの、すでに下げを取り戻すなど世界最高の成績である。2019年6月に米国は10年という戦後最長の景気拡大記録を更新することはほぼ確実であろう。

好況なのに物価も金利も抑制される

米国経済で最も重要なポイントは好況なのに物価も金利も抑制されていることだ。だから景気を冷ます過度な金融引き締めも、バブルの崩壊も起きようがないのである。

これを支えているのは新産業革命(インターネット、クラウドコンピューティング、スマートフォン、人工知能=AIなどを駆使した技術革新)における圧倒的リーダーシップである。中国を除く世界のインターネット空間はアップル、グーグル、アマゾン・ドット・コム、フェイスブック、マイクロソフトなど米国のプラットフォーマー(基盤提供者)に独占支配されている。

株式市場ではこれらプラットフォーマーが時価総額トップテンをほぼ独占している。新産業革命にまつわる新ビジネスとイノベーションが世界的に巻き起こっているが、その多くも米国発である。

圧倒的な経済力を背景にトランプ氏は対外強硬政策を次々に打ち出している。国防予算を大きく増額し、軍事覇権を強めようとしている。中国に対する貿易戦争、北朝鮮に対する非核化圧力、イランに対する核合意破棄と経済制裁、米国人牧師を巡るトルコに対する制裁、エルサレムへの米大使館移転など、世界中で物議を醸す政策である。

トランプ氏の強硬策が成果を収める

国際秩序を重んじるこれまでの紳士的手法からかけ離れたものであり、批判は多い。しかし、そうではあってもトランプ氏の強硬政策が成功する場面が増えている。激化する中国との争いについても、おおむねトランプ氏は狙い通りの成果を収めるのではないか。

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