芳根京子 祖母に買ってもらった「ここ一番の指輪」

いつも同じ指輪を使うように、服やカバンにも「精神安定」を求めるという。「持っているお洋服は白と黒ばかり」

「指輪とネックレスと時計は、毎日同じものを着けてます。指輪を着け始めたのは、朝ドラ『べっぴんさん』の時。『右手の人さし指に指輪を着けると、集中力やリーダーシップが上がる』と聞いて、『集中力、欲しい!』と思って(笑)。撮影も後半戦に入った頃で、追い詰められてたんでしょうね。それから今まで、毎日着けてます。集中力ですか? 『集中力が上がる!』と思えば、人は集中力が上がるんだなと思いました。

あと、毎日同じ指輪を着けていると、安心するんですよ。ふと見たときに、同じ指に同じ指輪があると落ち着く。ネックレスと時計も同じです。

たぶん、自分に自信がないんだと思います。でも自信を付けないといけない場面がたくさんあるので、モノに頼るというか。『これがあると安心!』というものを持っていると強い、と思っているんだろうな。

こういうお仕事をしていて、いろんな人になる分、自分を見失いたくないっていう気持ちもある気がします。やっぱり作品に集中すると、本当の自分がどこか、わからなくなっちゃうときがあるんです。そういう時にいつもの指輪を着けると、力が抜けて、素に戻れる」

役作りのために共有した、一冊のノート

9月7日公開の出演作は、土屋太鳳さんとダブル主演した映画『累 -かさね-』。容姿は醜くも天才的な演技力を持つ累(かさね)と、美貌を持ちながらも芽が出ない女優のニナが、「キスすると一定期間、相手の顔になれる」という口紅を使い、互いの欲望を満たしていくという物語だ。芳根さんは累役だが、累の容姿で中身はニナという複雑な状態を演じる必要もあり、土屋さんと1人2役とも2人1役ともいえる難役に挑んでいる。

芳根京子さんは累の容姿で、累とニナの1人2役を演じた(C)2018映画「累」製作委員会(C)松浦だるま/講談社

「人気マンガが原作というプレッシャーもありましたし、今まで自分が挑戦してきた役とも全然違うので、不安は大きかったです。でもこの作品を乗り越えたら役の幅が広がる。今、自分が見ている景色とはまた違う景色が見られるはずだと考えて『自分なりに全力でがんばってみたいから、やらせてください』という気持ちでスタートしました。

「かばんも同じかばんを使ってますね。プライベートではいろいろ使いますけど、お仕事のかばんは2~3カ月同じものを使った上で、新しいものを買ったり、前に使っていたものをまた出してきたりします」

この作品では、太鳳ちゃんと2人で、2役ずつやらなきゃいけない。しかも、ここからここまでは私の累、ここからここまでは太鳳ちゃんの累っていうように感情のバトンをつないでいかなきゃいけないので、太鳳ちゃんのお芝居をよく見たり、話し合ったりしながら、2人で役を作り上げていきました。

『累とニナノート』という1冊のノートも用意しました。『累は猫背で、視線が下の方にあって、しゃべり方はこう。こういう時は、こういう気持ちでした』と私が書くと、太鳳ちゃんが『ニナは背筋が伸びて、堂々としていて、話し方はハキハキ。この時はこういう気持ちで……』と書いてくれる。そんなふうに、お互いに共有しながら文字を書くことで頭を整理ができて、役について再確認できたというか。終わってから、よく『あのノートを共有できたことは大きかったね』って話しています」

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